東北で行われる唯一の競走馬市場「八戸真市場」が2日、青森県三戸郡南部町にある八戸家畜市場で開催された。上場頭数が30頭を満たない、28頭となってしまったが、23年生まれの青森産は、不運にも不受胎や流産などの理由で、生産頭数が65頭と極端に少なかったことが最大の要因に挙げられる。
ただ、青森で人気の高い種牡馬であるウインバリアシオン産駒を筆頭に、バラエティに富んだ種牡馬のラインアップをそろえたほか、他の市場に倣ってオンラインビッドを導入し、事前にウォーキング動画やレポジトリーを閲覧できるようになった。購買登録者数は101人(前年比10人減)で、そのうちオンラインビッドの登録者数は13名だった。
売却総額は6360万円(金額はすべて税抜き)と前年より2940万円減となったが、売却率は75%(前年比15・5%増)と3年ぶりに7割台に回復した。平均価格は302万8570円(前年比8・7%減)と、例年並みの数字を維持した。最高価格は、ショウリダバンザイの23(牝、父タワーオブロンドン)の950万円で、(有)ノルマンディーファームが落札した。
母は11年道営記念など重賞7勝を挙げ、母として20年の平和賞を制したマカベウスを送り出した。また、昨年の同市場で最高価格となる1250万円で落札されたエルガー(牝2歳、川崎・内田勝義厩舎)が、5月10日に川崎競馬場で行われた能力試験で合格している。エルガーに続き、ショウリダバンザイの牝駒が2年連続で同市場の最高価格を記録した。また、初年度産駒の最高額は、アドマイヤプルートの23(牝、父キセキ)が550万円で、JRA日本中央競馬会が落札している。半兄に、今春の岩手でシアンモア記念などを制したグランコージーなどがいる。
青森県軽種馬生産農業協同組合の佐々木拓也副組合長は「この1歳世代は、青森にとって不運が重なり、少ない頭数となってしまいましたが、今年は競馬熱の高まりとともに生産頭数は増えています。岩手県で繁殖牝馬が増えるなど、東北として生産頭数が増えていく可能性があります。青森のみならず、東北として馬産を盛り上げていくよう努め、来年は上場頭数50頭の壁を超えたいと思います」と話していた。(競馬ライター)