◆函館2歳S追い切り(10日・函館競馬場)
今年デビューした2歳馬初の重賞、第56回函館2歳S・G3(13日、函館)に向けた追い切りが10日、函館競馬場で行われ、良血ヴーレヴーが、函館・Wコースで静かだが、確かな上昇度を示した。
もう派手なアクションはいらなかった。テンから伸びやかなフォームでリズムを刻むと、手綱はほとんど動かなかったとはいえ、最後までスピード感満点の走りで5ハロン68秒3―12秒3をマーク。中間は“ゆとり調整”だが、気配の良さは目を見張った。南井助手は「今日はテンションが上がらないようにと折り合いを重視。その辺は大丈夫だった。ここまで順調に来られたのが良かったし、落ち着いているのが一番」と出来の良さを強調した。
初戦はスローの流れでハナに立ち、ややかかったとはいえ、そのまま押し切って奥の深さを見せた。「ちょっと力んでいたけど鞍上が最後も余裕があったと言っていた。レースでテンションの高さをみせたけど、放牧先から帰ってきたらうまくガス抜きしていい感じで戻ってきてくれた。今回は2回目で馬が理解してくれていれば」と同助手。
母の弟に種牡馬として活躍するシルバーステートがいる良血。将来性はメンバー屈指と言っていい。同助手は「いいスピードはあるし、心肺機能が高い馬。今の感じを維持していければ」。サトノクラウン産駒の素質馬が、世代最初のタイトルを奪う態勢はしっかり整えてきた。(松末 守司)