【こちら日高支局です・古谷剛彦】サトノカルナバルV ノーザンファームミックスセール注目度上昇

サトノカルナバルは22年のノーザンファームミックスセール取引馬
サトノカルナバルは22年のノーザンファームミックスセール取引馬

 JRA北海道シリーズは、14日に函館競馬が閉幕し、20日から札幌競馬に舞台を移す。20年から函館では、土曜に函館2歳S、日曜は函館記念と連日重賞を組むスタイルになった。15日まで3連休だったこともあり、連日とも多くの入場者が詰めかけた。初心者を対象に短時間で馬券の種類や買い方、新聞の読み方などをレクチャーするビギナーズセミナーでは、「日曜は朝からしっかり競馬を楽しみたいので、土曜のうちに勉強しに来ました」という方もいた。12日間の売上総額は、937億6688万8500円と、前年比104.5%を記録。涼しい気候で幕を閉じたが、猛暑がうたわれている本州のことを思えば、函館競馬場を上手く活用した開催日割を考えても良いと、個人的に感じるところだ。

 13日はJRAで開催される2歳最初の重賞・函館2歳Sが行われたが、東京でデビュー戦を快勝したサトノカルナバル(牡2歳、美浦・堀厩舎)が好位から抜け出し、世代最初のグレードウィナーとなった。9月に行われていた時代を含め、歴代優勝馬はすべて北海道でデビューした馬しかいない。サトノカルナバルは、新たな歴史を刻んだ。そして、22年から始まったノーザンファームミックスセールの取引馬で、2番目に高額となる8400万円(金額は税別)で落札。セール初年度の取引馬から早くも、タイトルホルダーを送り出した。昨年の優勝馬であるゼルトザームは、母のロザリウムが20年ノーザンファーム繁殖牝馬セールで富田牧場が落札した際、受胎していた馬だった。函館2歳Sは、ノーザンファームのセールに関わる馬の連覇となった。

 昨年のミックスセール終了後、吉田俊介副代表は「セールにおける一番の宣伝は、出身馬が競馬場で活躍することに尽きます。ミックスセールは始まったばかりですから、取引された馬が結果を積み重ねていくことが、市場の認知につながると思っています」と話していた。14日福島5Rでデビュー勝ちしたホウオウガイア(牝2歳、美浦・大竹)もミックスセール取引馬(4600万円で落札)だが、早い段階で結果を出したこともあり、3年目を迎えるノーザンファームミックスセール(10月22日開催)はより一層、注目度を増すことになるだろう。(競馬ライター)

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