こんばんは、坂本です。今日は夏らしいお天気の東京・両国の会社からお届けします。
さて、今の時期の美浦トレセンでは午前5時から調教が始まり、それにあわせて取材もスタートするのですが、太陽が出てくるとうだるような蒸し暑さとなります。関東甲信地方は梅雨明けが発表されましたが、もう本格的な夏到来といったところでしょうね。取材中は水分補給を欠かさず、熱中症対策を心がけておりました。
ちなみに我が家で飼っている愛猫は、長毛のラグドールのため、もちろんエアコンが欠かせません。近所の花屋の看板猫が、いつもはフサフサの長毛なのに、顔と尻尾の先以外はきれいに毛刈りされていたのを見ても、人間同様に暑さ対策は大真面目な話でしょう。取材でも「夏負け」という単語を聞くことが多くなる時期で、人馬ともに無事を願うばかりです。
そんなところで本題へいきましょう。まずは上原佑厩舎からです。今週は2頭の新馬がデビューします。日曜の福島・新馬戦(芝1800M)でデビューするスティーヴバローズ(牡、父ロジャーバローズ、母ハッピーヴァリュー)は、03年の帝王賞を制したネームヴァリューを祖母に持つ血統です。個人的にネームヴァリューは思い入れのある馬で、地方・船橋の名手・佐藤隆騎手の鮮やかな手綱さばきは記憶に残っています。上原佑調教師は「操作性もいいし、乗りやすい馬なので新馬戦からある程度力は出せるかな。水準よりは動けているし、パワーのある感じ」と評価しています。サンデーサイレンスの「3×3」という意欲的なクロスを持っていることからも、気になる熱い血統ではありますね。
そして土曜の福島・新馬戦(芝2000M)にはピコチャンブラック(牡、父キタサンブラック、母トランプクイーン)がスタンバイしています。1週前、今週と動きの良さが目を引きますね。上原佑師は「追い切りはかなり動けている。気性的に幼さがあって、(体も)フレームはいいが、筋肉がついていない。これからという感じだが、それでもこの時期であれだけ動けているのですから、素質はあります」と、楽しみな様子でした。
同じく新馬のファンタズマ(牡、父ハービンジャー、母ボージェスト)は、札幌デビューを見据えています。今週の中京記念で重賞初制覇を狙っているボーデンの全弟という血統です。「背中はいいです。芝の中距離の1800Mくらいから」と、イメージしています。
函館の新馬戦で2着だったポッドベイダー(牡、父リオンディーズ、母ヴェルメンティーノ)は、今週土曜の札幌・未勝利戦(芝1200M)で初勝利を狙います。指揮官は「気性の幼さを修正しつつ、能力はあるので、ここでやってもらわないと」と、今度こその構えです。
また先週の函館2歳Sで3着だったエンドレスサマー(牡、父アルアイン、母コケレール)は、次走として小倉2歳S(9月1日、中京)やシンガポールターフクラブ賞(9月1日、札幌)などが選択肢に挙がっています。上原佑師は「タフな展開でも根性を見せてくれました。次につながる内容だったと思います」と語っていました。
そして新種牡馬の産駒のパワーオブドリーム(牡、父レッドベルジュール、母ウォンビーロング)は、ゲート試験に合格して、今週すでに放牧に出ました。父はデビュー2連勝でデイリー杯2歳Sを制して、朝日杯FS10着を最後にわずか通算3戦2勝で現役引退しています。こちらは秋以降のデビューという見立てでした。
次は森一厩舎へいきましょう。新馬のダンケルド(牡、父ミッキーアイル、母カレドニアレディ)は、7月28日の新潟・新馬戦(芝1600M)に川田騎手で予定しています。母は英国の重賞勝ち馬で、半姉スコールユニバンスは、芝の短距離でオープンまで出世しています。森一調教師は「(1週前追い切りは)時計も中身も上々だったと思います。(適性は)マイル以下かなと思います。馬っぷりのいい馬で、ゲートは水準です」と評価しています。
東京での新馬戦が2着だったエンブロイダリー(牝、父アドマイヤマーズ、母ロッテンマイヤー)は、7月27日の新潟・未勝利戦(芝1800M)にルメール騎手で予定しています。森一師は「先週戻ってきて、今週の追い切りは馬場が重いなか、動きは上々でした。初戦から完成度が高かったので、大きく変わった感じはないですが、スピードのある馬で、いい状態をキープできている」と、好感触を口にしていました。
新馬のスペースリーガ(牡、父カリフォルニアクローム、母スズノネイロ)は、8月3日の新潟・新馬戦(ダート1800M)に原騎手で予定しています。ゲート試験に合格後、在厩で調整を進めてきて、森一師は「入厩当初は気性的に難しいところがあったが、環境に慣れてきた。調教でもワンペースなところがある。使いながら良くなっていきそうなタイプ」と、評価していました。
それでは今日のところはこのへんで。