大物感あふれるデビューVだ。20日の福島5R・2歳新馬戦(芝2000メートル)は、楽々とハナを奪ったキタサンブラック産駒のピコチャンブラック(牡、美浦・上原佑厩舎)が、抜群の手応えで4角を回った直後に勝敗は決した。残り1ハロンから石橋は追うことなく、後ろを振り返る余裕を見せて後続を7馬身も突き放した。上がり3ハロンは次位に0秒5差の最速35秒0で、勝ち時計は2分3秒6だった。
「バネがすごく利いて、いい馬だと分かっていた。ゲートの出も含めてスピードが違いすぎました」と石橋。逃げたのは想定外だったが、素材の良さは十分に手綱から伝わったようで「4角でギアが入ったし、物見をしたり気を抜かないように気をつけただけで、自分は何もすることがなかった」と笑顔で汗をぬぐった。
伯父には96年日本ダービー馬のフサイチコンコルドや09年皐月賞を制した現種牡馬のアンライバルドがおり、クラシックを十分に意識できる血統背景。石橋は「もうひとつ上のギアがありそうです」と手応えをつかんでおり、次走以降の内容にも注目が集まる。