◆第16回レパードS・G3(8月4日、新潟競馬場・ダート1800メートル、良)
ダートの2重賞が11日行われ、3歳馬による第16回レパードS・G3(新潟)はミッキーファイトが直線で猛然と脚を伸ばし快勝。ダート3冠の最終戦、ジャパンダートクラシック・Jpn1(10月2日、大井)の優先出走権を手にし、世代の王者争いに名乗りを上げた。
素質馬ミッキーファイトが、力でねじ伏せ初タイトルを手にした。直線、サトノフェニックスとの2頭に絞られた追い比べを抜群の勝負根性を発揮して制し、ゴールに真っ先に飛び込んだ。戸崎は「能力を持っている馬なので、負けられない一戦だなと思っていました。この馬で勝つことができてうれしく思います」と素直に喜んだ。
同じ轍(てつ)は踏まない。前走のユニコーンS(3着)は4番ゲートで直線半ばまで内に閉じ込められ力を出せなかったが、今回は違う。1番枠から飛び出し、スタート直後は3番手の内を進んでいたが、向こう正面に入り前がばらけると、すかさず愛馬を外に導いた。ここですでに勝負あり。スムーズに追走し、直線はもう伸びるだけ。鞍上の手腕がさえわたった。「1枠だけが気がかりだったので、位置取りはいい形になった」と鞍上も納得の騎乗だった。
新設されたダート3冠レースの最終戦、ジャパンダートクラシックの権利を奪取した。ただ、田中博調教師は、成長途上の愛馬の次走への明言は避けた。「折り合いはついて課題の修正はできていた。でも、左回りは走りづらそうだった。体の感じもまだまだ途上感がある。戦える余力があるのか慎重に判断してからですね」。
すべては、ダートG1・4勝のレモンポップを筆頭に活躍馬を多く抱える常勝厩舎から再び誕生した新星への期待の大きさの表れ。目先よりも、あくまでその将来を見据えてのこと。今後も課題に取り組み成長へとつなげていく。「これからダート界で活躍していってほしい馬」と鞍上。出世レースを制したドレフォン産駒の逸材が、どこまで階段を上っていくのか、目が離せない。(松末 守司)
◆ミッキーファイト 父ドレフォン、母スペシャルグルーヴ(父スペシャルウィーク)。美浦・田中博康厩舎所属の牡3歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算4戦3勝。総獲得賞金は6191万5000円。重賞初勝利。馬主は野田みづき氏。