【札幌記念】史上4頭目の連覇に挑む実力馬が万全の状態 昨年と同じ臨戦過程も調教は一変で死角なし

芝コースのラストで鋭く加速したプログノーシス(カメラ・高橋 由二)
芝コースのラストで鋭く加速したプログノーシス(カメラ・高橋 由二)

◆札幌記念追い切り(14日・函館競馬場)

 サマー2000シリーズ第4戦、第60回札幌記念・G2(18日、札幌)の追い切りが14日、行われた。史上4頭目の連覇に挑むプログノーシスは、函館競馬場の芝コースを単走で上々の伸び。臨戦過程が同じでも、昨年と全く異なる調整内容をヤマタケ(山本武志)記者が「見た」。

 わずか1ハロンだけでも万全の状態が伝わる力強さだった。プログノーシスは函館・芝コースを単走。騎乗した清山助手が「(手綱を)離したら、そこでトップスピードに入りそうな感じ」と振り返った道中はグッと我慢を利かせた。直線半ばまで闘争心を内に閉じ込め、少しだけ加速を促したのはラスト100メートルほど。3ハロン43秒7だが、週初めからの雨で水分をたっぷりと含んだ馬場でラスト1ハロン11秒8は上々。前肢を伸ばし、体を大きく使ったフォームで加速する走りは印象的だった。

 金鯱賞から香港遠征を経て、ここで復帰という過程は昨年と全く同じだ。しかし、当週のメニューが違う。昨年は追走する形の併せ馬だったが、今年は本当にソフトな単走。初の海外遠征明けでもあった昨年は調整の難しさがあった。最終追い切りでは珍しい併せ馬を選択したのも、さらなる上積みが必要と判断されたからだろう。一転して今年は「確認でよかった」と清山助手は笑顔で何度も繰り返した。近年のトレンドとはいえ、当週の軽めこそ不安がない証しだ。

 大器晩成とも言える。以前は使った後の疲れなど弱さがあり、6歳夏でもキャリアはまだ14戦。一戦ごとにしっかり態勢を整えた。このレースも一年前と同様に、1か月以上前から入厩して乗り込まれている。「この馬の最高点がどこまでか分かりません。馬自身の成長がまだ感じられますから」と同助手。丹念に築いた土台に、4馬身差の圧勝劇を演じた昨年からの成長が加わった。レース史上4頭目の連覇へ、現状で死角は全く見当たらない。(山本 武志)

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