◆セントライト記念追い切り(12日・美浦トレセン)
菊花賞トライアルの第78回セントライト記念・G2(16日、中山=3着まで優先出走権)の追い切りが12日、東西トレセンで行われ、アーバンシックが迫力の動きを見せた。課題の気性面も成長を見せ、秋初戦へ好仕上がり。秋華賞トライアルの第42回ローズS・G2(15日、中京=3着まで優先出走権)も含め、3日間開催の出走馬が確定した。
実りの秋を迎え、ますます迫力が増している。アーバンシックは美浦・Wコースで、ザロック(3歳1勝クラス)を8馬身、チートメジャー(2歳未勝利)を4馬身あまり追走。直線で最内に進路を取ると、軽く仕掛けられただけで一気に加速し、ザロックに2馬身差、チートメジャーに半馬身差の先着を果たした。
ラスト1ハロンはこの日全体2位の11秒2をマーク(6ハロン83秒4)。先週から2週続けて手綱を執った石神深(レースはルメール)が、「直線の反応はいいし、抜け出してからもハミが抜けることはない。すごくいい馬ですね」と絶賛するのも納得の仕上がりだ。
2歳時には調教をつけることも困難だった課題の気性面。春も徐々に改善していたが、ひと夏を越えてさらに成長した。馬場入り時に少し嫌がるそぶりは見せたが、キャンターに下ろしてからは落ち着いたフットワークで鞍上の指示に従っていた。武井調教師は「だいぶ常識にかかってきて、普通の調教ができるようになっている」とキッパリ。
強烈な切れ味を武器に京成杯2着から春は牡馬クラシックに参戦。皐月賞4着、日本ダービー11着に終わったが「G1を経験したのは良かったですね。あの舞台でも意外とドッシリしていたし、厩舎としても馬としても自信になった。普通にやれることをやっていくだけです」と、トレーナーは静かに力を込めた。ルメールを鞍上に迎え、実りの秋とすべく復帰戦に臨む。(角田 晨)