◆第70回オールカマー・G2(9月22日、中山競馬場・芝2200メートル)
第70回オールカマー・G2(22日、中山=1着馬に天皇賞・秋への優先出走権)で、サリエラが重賞初制覇を目指す。春は長距離路線を戦ってきたが秋は再度、中距離路線へ。5か月ぶりの復帰戦に、国枝調教師は「仕上がりに問題はない」と自信。全姉のサラキアは5歳秋に本格化して重賞初制覇を飾り、引退レースとなった同年の有馬記念までG1連続2着と好走。その妹も最後の秋に飛躍する。
兄姉のように5歳秋に輝く。サリエラが悲願の重賞タイトル奪取へ、反撃に出ようとしている。姉サラキアは5歳秋に本格化して府中牝馬Sで重賞初Vを飾り、ラストランの有馬記念は2着。兄サリオスも5歳秋の毎日王冠で2年ぶりの復活Vを遂げていた。
今年初戦のダイヤモンドSでは、のちのG1馬テーオーロイヤルに首差2着。だが、次の天皇賞・春では12着に終わった。春は長距離路線で戦ったが再度、中距離へシフト。国枝調教師は「ずぶい面があって長いところを使ったけど、前走は気合乗りが良くてガス欠してしまった。そういった面では競馬を覚えてきたとも言えるし、現状では短い方が良さそう」と分析。敗戦にも得るものありと、前向きにとらえていた。
5か月ぶりで迎える秋初戦に向けて順調そのもの。美浦で8月末から乗り込みを開始し、すでに5本の併せ馬を消化。12日の美浦・Wコースでの1週前追い切りでは3頭併せの真ん中で併入。フィニッシュ後にも、しっかりと追って負荷をかけた。トレーナーは「休み明けだし、(1週前は)それなりにやってきちっと。暑いけど体が減らないのはいいね。仕上がりに問題はないよ」と手応え十分。前走で424キロの小柄な牝馬だけに仕上がりは早く、力を出せる態勢にあると強調する。
競馬はブラッドスポーツだ。国枝師は「(きょうだいの活躍を見ると)奥手かな。(クラブの規定により)引退が近づいてきたし、ひとつでも重賞を取らせてあげたい」と兄姉のような軌跡を思い描く。いよいよ幕を開ける現役最後の秋シーズンで、最高の走りをファンに届ける。(浅子 祐貴)