【秋華賞】オークス馬が2冠達成 次は牡馬、古馬相手にジャパンC目指す ルメール騎手絶賛「自分の仕事を分かってる」

チェルヴィニア(左)で2冠を達成し、ルメールはガッツポーズ(カメラ・岩田 大補)
チェルヴィニア(左)で2冠を達成し、ルメールはガッツポーズ(カメラ・岩田 大補)
チェルヴィニアの口取り式で記念撮影に納まる(左手前から)木村調教師、ルメール
チェルヴィニアの口取り式で記念撮影に納まる(左手前から)木村調教師、ルメール

◆第29回秋華賞・G1(10月13日、京都競馬場・芝2000メートル、良)

 第29回秋華賞は13日、京都競馬場で行われ、単勝1番人気に応えてチェルヴィニアがV。桜花賞馬ステレンボッシュとの“2強対決”を制し、5頭目となるオークスとの2冠を達成した。思い通りにレースを進めたクリストフ・ルメール騎手(45)=栗東・フリー=は「何でもできる」と相棒を絶賛。次はジャパンC・G1(11月24日、東京)でさらなる高みを目指す。

 秋晴れの淀。チェルヴィニアが、しなやかなストライドで直線を貫いた。桜花賞馬ステレンボッシュとの“2強対決”を制し、牝馬3冠最後のティアラをゲット。オークスに続く2冠を達成し、世代最強を証明した。「今日一番強い馬で勝つことができた。本当にうれしい」とルメール。ゴール直後に右手でガッツポーズをつくり、喜びを全開にした。

 セキトバイーストが大逃げし、前半5ハロン57秒1の速い流れ。「イクイノックスやアーモンドアイではなかったので、前、内で乗りたかった」というルメールの思惑通り、中団につけた。直線入り口でも先頭とはまだ大きな差があったが、「届くと思った」と不安はなし。前が開くと、チェルヴィニアも信頼に応えるように、瞬時にギアを上げた。「(反応は)完璧」。もう誰も追いつけない。あとはVロードを突き進むだけだった。

 スタートを決め、道中は冷静に折り合い、ラストは見事なスパート。満点の競馬をした相棒に対し、鞍上は「何でもできる」と頬をゆるめた。「距離ももつし、能力も持ってる。騎手にとっては簡単。自分の仕事を分かってる」。祖母ハッピーパスから紡がれる名家の子女らしく、超が付く優等生ぶりを示した。

 サンデーレーシングの吉田俊介代表は、ジャパンCを目指すことを明言。ルメールは「牡馬、古馬(との対戦)は問題ない。斤量が軽いからいいポイント」と胸を張った。「またG1で勝てると思う。レジェンドホースになることを期待しています」。世代を超えた“最強”の座へ―。才女の新しい挑戦が始まる。(水納 愛美)

 ◆チェルヴィニア 父ハービンジャー、母チェッキーノ(父キングカメハメハ)。美浦・木村哲也厩舎所属の牝3歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算6戦4勝。総獲得賞金は3億2842万4000円。主な勝ち鞍は23年アルテミスS・G3、24年オークス・G1。馬主は(有)サンデーレーシング。

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