【マイルCS】スプリンターズS制した騎手&調教師コンビが短距離路線制圧へ エルトンバローズで昨年4着の雪辱狙う 

昨年4着から進化して挑むエルトンバローズ
昨年4着から進化して挑むエルトンバローズ

◆第41回マイルチャンピオンシップ・G1(11月17日、京都競馬場・芝1600メートル)

 9月のスプリンターズSを9番人気のルガルで制した杉山晴調教師と西村淳のコンビが、昨年4着だったエルトンバローズで再び大仕事に挑む。

 昨年は3歳で、初めてのマイル重賞がG1という試練だったが、中団からしぶとく伸びて健闘。トレーナーは「忙しかったですね。そのあたり成長してほしいと思っていました」と振り返る。毎日王冠(昨年V、今年は3着)から本番に向かうローテは昨年と同じで「前走が斤量(昨年比)3キロ増、外枠(14頭立て14番)のロスを考えれば際どい競馬で力をつけたと思います」と進化を感じ取る。

 6日の1週前追い切りは、道中で今までになくかかったように見えたが「気合乗りがすごかったですが、ジョッキーもいい意味でとらえていたし、あれならレースでもポジションがとれると思います。1800メートル前後がベストですが、右回りの方がいいと思います」と大目標に向けて前向きにとらえている。

 西村淳にとっては、JRA重賞9勝中5勝が杉山晴厩舎でのもの。23年以降、同厩舎の馬に騎乗した100回(11日現在)は、2位で60回の松山を大きく上回る。トレーナーは「少し足りない馬を勝たせてくれるし、とにかく勝ってくれる。スタートがうまいし、ポジションを取りに行って、そこで脚をためられる」と厚い信頼を置く。

 スプリンターズS後には、西村淳から厩舎に御礼の缶ジュースが50ケース届けられた。杉山晴師は「用事がなくても顔を出したり、スタッフともコミュニケーションをとって営業力もあります。ジョッキーの中でもしっかりしているし、関係者から好かれるタイプだと思いますよ」と褒め、レース直後の涙にも「ずっとG1を勝ちたいと言ってましたから。泣いても不思議じゃない」と感慨深い表情も見せた。今回はどんなドラマが待っているのだろうか。(玉木 宏征)

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