【フェブラリーS】“王者”レモンポップを送り出した田中博康調教師が自信を持つ4歳馬「しっかり戦えそう」

Wコースを豪快に駆けたミッキーファイト(カメラ・荒牧 徹)
Wコースを豪快に駆けたミッキーファイト(カメラ・荒牧 徹)

◆フェブラリーS追い切り(20日・美浦トレセン)

 第42回フェブラリーS・G1(23日、東京)の出走馬が20日、決定した。「考察」を担当する水納愛美記者はキーポイント編でダート路線で精鋭ぞろいの4歳世代に着目。ミッキーファイトを送り出す田中博康調教師(39)=美浦=を会見後に直撃し、熱い勝負気配を感じ取った。同馬はこの日、Wコースの追い切りで迫力満点の動きを披露した。枠順は21日に決まる。

 この先、ダート界を引っ張るのは、3冠初年度世代の現4歳馬たちだろう。名古屋大賞典Vのミッキーファイトもその一頭。同馬の可能性を探るべく、田中博調教師を直撃した。

 これまで6戦4勝。敗れた2戦の勝ち馬ラムジェットとフォーエバーヤングはともに、サウジCに参戦する。田中博調教師は「名古屋大賞典を勝った後に、もちろんそういう(中東遠征の)話も出ました」と明かす。その選択をしなかったのは、環境の変化や暑さへの適応力が未知だから。「今年は、まず日本でしっかり成績を出すこと」と、地盤固めを重視した。

 力不足と判断したわけではない。「来年、パフォーマンスが落ちてくるという感じはしない。グングン良くなってきそう。今年がピークではない」。歯切れのいい言葉が続き、能力を高く評価していることが伝わる。同世代のライバルが海を渡るなかでも、堅実路線を選んだことから、かえって勝負気配が伝わった。

 前走は初の古馬混合戦で、堂々のコースレコードV。しかし、指揮官は「着差などは、メンバーを考えると物足りない部分はある」とやや辛口。それも、期待の大きさゆえだろう。

 田中博厩舎といえば、昨年引退した“王者”レモンポップ。比較するとミッキーファイトはまだ成長途上だが、「距離の融通が、レモンポップよりも利きそう」と勝る部分もある。「だいたいダートの大きい舞台は、1600メートル以上2000メートルまで。自信を持って、そこのカテゴリーでしっかり戦えそうな馬」。2年連続の最優秀ダート馬を送り出したトレーナーの言葉だけに、説得力がある。

 ここを勝って、来年は最強世代の一角として胸を張って世界へ―。すでにその道筋が見えるほど、高い素質を秘めた存在だ。(水納 愛美)

田中博康師に聞く マイルに短縮も「今のミッキーファイトなら対応は可能」

 ―ミッキーファイトは1週前、今週と美浦・Wコースで好時計をマーク。仕上がりは?

 「見ている方としても今日に限らずですが、走りの質が変わったのか、見ている印象よりも時計が出るなと感じます。ちょっとストライドが伸びたのか、いい走りになってきたのかなという印象」

 ―新馬戦以来となる東京ダート1600メートルへの適性は?

 「前走の競馬ぶりと馬の雰囲気から、距離は1ハロンでも短縮することによって少しパフォーマンスが上がるかもしれない感覚はあります。一気に2ハロン短縮するが、今のミッキーファイトなら対応は可能なのかな、と」

 ―G1初制覇がかかる大一番へ、意気込みを。

 「まだ明け4歳、キャリア7戦目とそんなに数も走っていない子なので、正直、これから良くなるなという感じはすごくあります。今年は充実期に入ってくるのかなと思うので、大きな舞台、G1のタイトルを取らせてあげたい。それがフェブラリーSならうれしいですが、今年の始動戦として、しっかり結果を出してあげられたらなと思います」

ミッキーファイトの状態に自信を見せる田中博康調教師
ミッキーファイトの状態に自信を見せる田中博康調教師

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