【こちら日高支局です・古谷剛彦】実績ある地方馬の中央重賞参戦条件を改善しては 

 札幌競馬場で3日に行われた「札幌日経オープン」が、香港遠征後の復帰戦となったハッピーグリン(牡4歳、北海道・田中淳厩舎)は、2着惜敗ながら上々の内容だった。「わずかな着差だったので勝ちたかったのは確かですが、まだ完調手前の状態で、よく頑張ってくれました。今回は半信半疑な面はありましたが、強敵相手にもまれてきた経験が生きた内容だと思います」と、レース後に田中淳師は話していた。「天皇賞・秋」(10月27日、東京)のステップとして、「毎日王冠」(10月6日、東京)が有力となったが、昨年勝った盛岡の「OROカップ」(9月22日)を選択する可能性もある。

 地方馬が出走できる重賞は、古馬になると限られてくるという話題は、コスモバルクの現役時はもちろん、ハッピーグリンが古馬になる時にも書いてきた。しかし、JRAで行われる平地重賞は、JRA認定勝ち馬である2歳、3歳が出走できる「特別指定競走」(いわゆる特指)が大半を占めている。このことが、いまだに一般には浸透していない印象を受ける。

 例えば、JRA北海道シリーズの番組を見ると、「巴賞」は古馬でも出走できるが、そこで勝ったとしても、「函館記念」は特指なので、古馬は出走できない。「札幌記念」も特指である。短距離戦の「キーンランドC」は古馬も出走可能だが、ハッピーグリンのカテゴリーではないので、選択肢には入らない。「札幌日経オープン」と同じ、芝2600メートルで最終週に行われる「丹頂S」は特指競走なので、古馬は出走できない。

 平地の重賞は、国際競走と銘打っている。出走できるかどうかは、賞金順で構わないから、重賞実績があって、レーティングがつく地方馬には、年齢関係なく出走申し込みはできるように改善されるべきではないか。コスモバルクが「札幌記念」に出走できていたなら、当時の北海道でのバルク旋風を考えると、大いに盛り上がることが想像できた。実際、酷量を背負った「札幌日経オープン」で、ゴール前は歓声に包まれていたのを思い出す。来年は間に合わないかもしれないが、賞金を加算している地方馬は、中央馬と同格に扱うことを検討しても良いと思う。(競馬ライター)

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