【藤田晋の新人馬主日記】「馬とフェラーリは買うな」の禁を解き馬主デビュー「毎日が楽しいです」

G1がターゲットになったドーブネ。藤田オーナーの期待は大きい
G1がターゲットになったドーブネ。藤田オーナーの期待は大きい

 今夏、馬主として競馬界に参入したサイバーエージェント社長の藤田晋氏(48)のコラム「藤田晋の新人馬主日記」がスタートします。所有馬に関する情報にとどまらず、競馬界における交流や会社経営など多岐にわたって私見を披露。原則として月1回、ジャパンC、有馬記念などビッグレースの開催週を中心に掲載します。第1回は「馬主の楽しみ」についてざっくばらんに語ります。

 競馬ファンの皆様こんにちは。新人馬主の藤田晋です。

 今年から馬主デビューして、毎日が楽しいです。こんなに楽しみを与えてくれる予定があるのは久しぶりかも知れません。愛馬のドーブネやデュガの発走予定が決まると、その日まで毎日夢に出てくるくらいだし、何よりセレクトセールで買った馬たちが来年走るのが待ちきれなくて、週に1回くらい「今すぐ来年にならないかな?」なんて考えたりしています。

 私は創業した会社を26歳の若さで上場させ、大きな個人資産を手にしました。当時、年配の経営者から「そんなに若くして車を買ったり、いい家に住んだりしたら、将来楽しいことなくなるよ」と言われました。その時は(へー)くらいにしか思わなかったのですが、その言葉は本当でした。少し感じ悪く聞こえるかもしれませんが、旅行の予定があっても、新車が納車されても、もう慣れてしまって楽しみに思えないのです。そんななか、馬主を始めました。

 実は創業時の恩人に「馬とフェラーリは買うな」と言われたことで馬主になりたい気持ちは20年以上封じてきました。それが昨年、その恩人から許可を得たのです。今年のセレクトセールで爆買いと言われるほど買ったのはご存じの人も多いと思いますが、それでも自分の馬が走るまでさらに1、2年待たなければなりません。出遅れたぶん、早く始めたくてじれていたところ、5月に千葉セリと呼ばれるトレーニングセールで今年すぐ走り始める2歳馬が入手できることを知りました。今年を馬主として楽しむため、なんとしても目玉であるディープ(インパクト)産駒を手に入れたい。そのためならプレミア価格を払ってもいい。そんな想いで競り落としたのが“5億円の馬”と呼ばれるドーブネです。

 ドーブネはデビューから2連勝を飾り、次走は12月19日、朝日杯フューチュリティSに進みます。早くもG1挑戦です。初年度からこんなに夢中にさせてくれて、もう自分の中では購入価格をペイしているかも。もちろん、現実の採算ラインはまだはるかかなたですけど(笑い)。

◆藤田晋(ふじた・すすむ)福井県生まれ。48歳。青山学院大学を卒業。インターネット事業を主に扱うサイバーエージェント代表取締役社長。ブログサービス「アメブロ」や動画配信サービス「ABEMA」などの事業も手がける。

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