【有馬記念】「無事これ名馬」キセキ、ラストランへ 石川達絵オーナー「悔いのない走りをしてくれれば」

キセキはラストランへ向け順調な仕上がり
キセキはラストランへ向け順調な仕上がり

◆第66回有馬記念・G1(12月26日、中山競馬場・芝2500メートル)

 第66回有馬記念・G1(26日、中山)がラストランとなるキセキ。石川達絵オーナーが思いを語った。

 ―ラストランの有馬記念で新馬戦から5年と15日。息の長い活躍です。

 「キセキに出合ったことで競馬に深く携われました。香港(ヴァーズ)もそうだし、凱旋門賞にもいけました。角居先生(勝彦調教師=今年2月で勇退、辻野厩舎に移籍)を始め、関わってくれた人たちすべてに感謝しかないです。無事これ名馬というのは、この馬に当てはまるんじゃないですかね。本当に楽しませてもらいました」

 ―その出合いについて。

 「角居先生に馬を預けていた縁で、2014年の夏過ぎに下河辺牧場(北海道日高町)に一緒に見に行きました。5月生まれだったこともあって他の馬より成長が遅く、見栄えはしなかったのですが、父がルーラーシップでお母さんは競走馬になれなかったものの、角居先生が預かる予定だったということを聞いて、これは何かの縁だと思いました」

 ―有馬記念で33戦目。これまでで最も印象に残っているレースは?

 「初めての重賞勝ちがG1だった菊花賞は、信じられない思いでしたが、18年のジャパンCは印象深いですね。川田騎手がうまく乗ってくれて、最後はアーモンドアイに差されましたが、世界レコードの2着。男の子(牡)の中では1番ですから」

 ―デビューから振り返ると。

 「3歳の春のクラシックに出られなかったですが、角居先生は『能力はあるので秋は』と言ってくれていました。その秋は神戸新聞杯2着のギリギリで菊花賞の権利を取って出走し、勝つことができました。キセキの名前通り、紆余(うよ)曲折、色々ありましたが、歯がゆいからこそ勝った時の喜びは倍でしたね」

 ―昨年も引退の話があったと聞きました。

 「角居先生の引退に合わせてとも思いましたが、寂しくて1年延ばしました。まだ馬も若々しいですしね。(2走前の)京都大賞典で8歳馬のマカヒキが勝ったのでもう1年延ばしたい気持ちです」

 ―後ろ髪を引かれる思いも抱きながらの引退レース。どんな走りを期待しますか。種牡馬になることも決まっています。

 「悔いのない仕上げ、悔いのない走りをしてくれれば。皆の記憶に残るレースになればいいですね。自分の血統(父キセキの子)で大きいところを勝ちたいという思いはあります。それができたら感動するでしょうね」

 ◆石川 達絵(いしかわ・たつえ)1962年8月3日生まれ。東京都出身の59歳。03年に南関東の大井で馬主資格を取得。09年にJRAの馬主資格を取得した。05年に携帯電話に特化したサービスの提供を行う株式会社デジマースを設立し、代表取締役社長に就任。現在は中央競馬情報アプリ「WIN! 競馬」などを運営。

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