フランスG1のジャックルマロワ賞を含むG1・5勝を挙げた98年の年度代表馬タイキシャトルが17日、けい養されていた北海道新冠町の養老牧場「ノーザンレイク」で急死した。同馬を支援していた認定NPO法人引退馬協会によると、前日16日も元気に過ごし食欲も旺盛だったが、17日の午前5時頃、馬房で死んでいるのが見つかったという。獣医師の診断によると老衰による心不全。28歳だった。
米国産の同馬は、97年4月に美浦・藤沢和雄厩舎からデビューし、3連勝。同年10月のユニコーンSで重賞初制覇を飾ると、マイルCS、スプリンターズSでG1連勝を果たして最優秀短距離馬に選出された。翌98年には安田記念を制した後、ジャックルマロワ賞を日本勢として初制覇。帰国後もマイルCSを連覇し、年度代表馬に輝いた。
通算成績は13戦11勝。種牡馬入り後は03年のNHKマイルCを勝ったウインクリューガー、05年のフェブラリーS制覇に06年のスプリンターズS2着と芝、砂で活躍したメイショウボーラーなどを輩出した。今年2月いっぱいで引退した藤沢和元調教師は「今朝、亡くなったという連絡をいただきました。日本で活躍して、ジャックルマロワ賞を勝って、今でも(外国産馬が当時出走できなかった)秋の天皇賞を使えていたらという気持ちです。子どもたちからもG1を勝つ馬が出たし、ブルードメアサイアーとしても血を残している。よく頑張ってくれました。素晴らしい馬でした」と別れを惜しんだ。