【凱旋門賞】ドウデュースを送り込むキーファーズ・松島正昭代表が激白「武豊騎手が勝つ姿を見たいんです」

今年はドウデュースで凱旋門賞に挑む松島正昭オーナー
今年はドウデュースで凱旋門賞に挑む松島正昭オーナー

◆第101回凱旋門賞・仏G1(10月2日、パリロンシャン競馬場・芝2400メートル)

 JRA馬券発売対象の第101回凱旋門賞・G1(10月2日)に、ドウデュースを送り込むキーファーズの松島正昭代表(64)。「武豊騎手と凱旋門賞制覇を」と公言するオーナーが今年の日本ダービー馬で勝負できる喜びとともに、早々と来年の挑戦まで明言。日本調教馬初の快挙達成からさらに連覇へ夢は広がるか。

 胸が高鳴る。松島オーナーは常に「武豊騎手で凱旋門賞を勝つことが夢」と公言。昨年も共同所有のブルームで手綱を託したが、今年は日本馬、何より日本ダービー馬となったドウデュースで挑む。

 「長く『「武豊騎手が凱旋門賞を勝つんだ』と言って、馬をいっぱい買ってきたけど、ダービーオーナーになって、その馬で挑戦できるというのがうれしいです。まさか、こうなるとは思っていなかったですから」

 昨年9月にデビューのドウデュース。無傷の3連勝で武豊に朝日杯FS初勝利をもたらすと、今春の日本ダービーでの勝利で最年長勝利騎手の栄誉も届けた。

 「皐月賞(3着)後に話した時にダービーは任せてください、みたいな感じだったんです。それに(レース2日前の)金曜日に会った時に『300メートルで抜け出して、ぶっちぎってきます』と。本当にその通りのレース。すごいと思いました。彼に貢献できた、ダービー6勝目をプレゼントできたというのが一番大きかったです」

 友人としての付き合いは20年に及び、その中で馬主となることを勧められた。当初から視線は自然と世界最高峰の舞台へ。

 「前からディープ(インパクト)の時は悪夢みたいだったという話は聞いていました。ただ、せっかく馬主になったんだから、僕の馬で凱旋門賞に挑戦できればいいねという話になった。武豊騎手が凱旋門賞を勝てる馬を買いたい。そこからですよね。ダービーのインタビューで『オーナーが凱旋門賞大好きな人だから』と言っていたけど、僕じゃない、あなたやろう、と。僕は彼が凱旋門賞を走って、勝つ姿を見たいんです」

 同年の日本ダービー馬による参戦は史上3頭目。その第一歩は武豊の一言だった。

 「去年、アイビーSが終わった後でした。来年の凱旋門賞のため、クールモア(アイルランドを本拠とする世界屈指の生産者グループ)から一緒に馬を持つかという話がいつもあるんですが、そこで彼が『ドウデュースがいるじゃないですか』と言ったんです。まだG1も勝っていない時ですよ。そうなったらいいね、とその話を保留にしていたら、朝日杯FSを勝ったんです。それからです。凱旋門賞に行こう、行けるようにクラシックで恥ずかしくない成績を出そう、という話になりました」

 過去100回で欧州調教馬しか勝っていない難攻不落の舞台。だからこそ追いかけているが、夢の続きも見えてきている。

 「負ける覚悟もできているし、負ければ、もう一回行けばいい。そんな簡単なものではないと思います。勝ったら引退しようと思っていたけど、『(世間に)怒られますよ。来年は連覇いきましょう』と言われました。だから、それは撤回です(笑い)」

 尊敬する友人でもある“レジェンド”と臨む大一番が迫ってきた。

 「喜びばかりですよ。何年もそればかり言っていたことが本当に起こっていますから。おそらく、こんなことがあっていいのか、とお互いに思っていると思うし、こんな面白いことはない。(前走後から)どんどん良くなってくると思うので、楽しみにしています。皆さん、応援してください」(取材・構成=山本 武志、水納 愛美)

 ◆松島 正昭(まつしま・まさあき)1958年2月23日、京都府生まれ。64歳。同志社大を卒業後、一般企業勤務を経て、1985年に現在のマツシマホールディングスに入社。98年に代表取締役社長、今年1月から取締役会長に就任。初めて所有したミコラソンで15年1月に馬主としてJRA初勝利(馬主名義はキーファーズ)。いずれもフランスで、18年メシドール賞(ジェニアル)で重賞、21年サンクルー大賞(ブルーム)でG1初勝利を挙げた。

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