【香港マイル前哨戦分析】前哨戦のG2ジョッキークラブマイルを分析

香港マイルに出走するゴールデンシックスティ(カメラ・高橋 由二)
香港マイルに出走するゴールデンシックスティ(カメラ・高橋 由二)

 香港国際競走が12月11日に香港のシャティン競馬場で行われる。小欄ではG1香港マイル(芝1600メートル)へ向けたステップレースとして、11月20日のG2ジョッキークラブマイル(シャティン競馬場・芝1600メートル=7頭立て)を取り上げたい。

 ジョッキークラブマイル組は過去5年の香港マイルで【4・4・3・15】。この前哨戦の着順別成績を調べると、1着から3着だった馬は本番で【4・2・3・6】、4着以下の馬は【0・2・0・9】。ジョッキークラブマイル3着以内馬を中心視するのがベターだが、4着以下の馬にしても2017年8着から13番人気2着に巻き返したウエスタンエクスプレス、昨年4着から8番人気2着に入ったモアザンディスと、穴を狙うなら面白い。

 今年制したのは王者ゴールデンシックスティ(セン7歳、香・ルイ厩舎)。道中は後方6番手に構えると、最後の直線では鋭く伸びて今季初戦を勝利で飾った。勝ち時計は1分34秒02(良馬場)。

 ゴールデンシックスティは香港マイル連覇などG1・6勝、2季連続で香港年度代表馬に輝くチャンピオン。あの決め手は7歳となった今も健在で、ジョッキークラブマイルでのラスト400メートルはメンバー中最速の21秒32。その内訳は残り400から200メートル区間が10秒41、ラスト200メートル区間が10秒91と、10秒台の高速ラップでまとめた。他馬より2キロ重い58キロの負担重量を考慮すれば驚異的な数字だ。3連覇へ向けて万全と言っていい。

 絶対王者を相手にクビ差2着に粘ったカリフォルニアスパングル(セン4歳、香・クルーズ厩舎)、3着ワイクク(セン7歳、香・サイズ厩舎)については能力分析で触れたい。

 4着以下ではモアザンディス(セン6歳、香・シャム厩舎)に注目。勝ち馬には5馬身差をつけられたが、軽視できない理由がG1実績だ。昨年は香港マイルのほかにG1チャンピオンズマイルでも2着に好走。その際はゴールデンシックスティにアタマ差まで迫った。重賞未勝利なのが不思議なくらいの素質馬で、押さえておくことをオススメする。

 ◆成田幸穂(なりた・さちほ) 1984年8月8日、東京生まれ。(株)サラブレッド血統センター所属。週刊競馬ブック連載「海外競馬ニュース」の編集を担当。同誌のほか、研究ニュースで予想コラム「血統アカデミー」を執筆中。12月11日(日)ラジオNIKKEI第1「香港国際競走実況中継」に出演予定。

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