◆シルクロードS追い切り(25日・栗東トレセン)
第28回シルクロードS・G3(29日、中京)の追い切りが25日、東西トレセンで行われた。昨夏の短距離女王ナムラクレアが降雪の影響で重くなった栗東・坂路で好時計をマークし、態勢万全をアピールした。
積雪で重くなった栗東・坂路の馬場をものともしなかった。昨夏の短距離女王ナムラクレアは真一文字に豪快なストライドで駆け上がった。ラスト1ハロンで肩ムチを入れられると、さらにギアを上げゴール前は流しながらも51秒7―12秒4の好時計。「ソフトにやるつもりはなかった。馬場が重く、苦しくなったところでも辛抱できた。道中も力強かった」と手綱を執った長谷川調教師が好感触を伝えた。
慎重に馬場の状態を見極め、この日に予定通り追い切った。本来は朝一番の午前7時か、ハロー(整地)明けの同9時30分頃を想定していたが、積雪を考慮し“先延ばし”。追い切ったのは気温も上昇した同11時55分だった。「今日やっておきたかった」と安堵(あんど)の笑みを浮かべた。
嫌な流れを払しょくしたい。昨夏に函館スプリントSを快勝したが、北九州記念は直線で前が壁になり3着。内が有利な馬場だったスプリンターズSも、馬群の外を回らざるを得ない格好となり5着に終わった。「スプリンターズSは悔いの残る内容でしたが、『来年に向けて』と思える一戦だった」とトレーナー。昨秋までは右前脚の爪に不安があったため、坂路主体で調整。だが、スプリンターズS後、間隔を空けたことで状態に良化が見られたため、この中間はCWコースも併用してきた。「すぐに実戦に直結というよりは積み重ね。ただ今日もスムーズに手前を替えていましたし、身のこなしも上手になっている」と収穫を口にした。
「春のG1に向けて改めて前哨戦で頑張りたい」と力を込めた指揮官。春の目標に掲げる高松宮記念(3月26日)と同舞台の中京スプリント戦。重賞3勝目を飾り、スプリント界の頂点への足がかりにする。(戸田 和彦)