◆第60回報知杯弥生賞ディープインパクト記念追い切り(1日、美浦トレセン)
皐月賞トライアルの第60回報知杯弥生賞ディープインパクト記念・G2(5日、中山=3着まで優先出走権)の追い切りが1日、東西トレセンで行われた。美浦で抜群の動きを見せたレヴォルタードにも角田晨記者が「見た」で迫った。
未勝利を勝ったばかりの若駒がG1ウィナーを圧倒した。レヴォルタードは横山武を背に、美浦・Wコースを馬なりのままラスト1ハロン11秒8で疾走。併せた外のウインマリリンを1馬身半突き放し、能力の高さを見せつけた。相手はまだ調整途上とはいえ、昨年の香港ヴァーズ覇者。思わず2頭を逆に見間違えているのではと不安になるほど、動きは軽快だった。
気性面が課題だったが、行きたがるそぶりをまるで見せず、操縦性の良さすら感じさせた。日頃からの折り合い重視の調整が実になっている。「引っかかる面もなく、大丈夫そう。ジョッキーにもいいイメージを持ってもらえたんじゃないかな」
そう手応えを口にする手塚調教師は、実は1週前の段階から自信をのぞかせていた。当初は出走予定で主役候補だった僚馬のキングズレインが中心の取材中、レヴォルタードについても「能力はかなり高いし、力を出し切れば互角だと思うよ」とぽつり。ひょうひょうとした姿の奥に、確信めいた力強さを感じたのだ。
あとは初となる中山を克服できるかがカギだ。ただ、新馬は勝ち馬に切れ負け。未勝利も先行しての押し切りと、現時点で上がり33秒台の脚を繰り出せるタイプではない。中山で重賞2勝の母バウンスシャッセのように、上がりのかかる芝こそが向くタイプだろう。
デビュー3戦でこのレースを制したのは、ディープインパクトを含む4頭だけ。すべて、のちにG1を制した名馬だ。名前の由来となったバレエのジャンプのように、レヴォルタードが軽やかな跳躍で歴史に名を刻む。(角田 晨)