◆阪神大賞典追い切り(15日、栗東トレセン)
人馬一体。3連覇がかかるディープボンドが、和田竜とぴたりと息を合わせて栗東・CWコースを駆け抜けた。直線半ばで気合を付けられると、瞬く間に四肢の回転速度がアップ。手綱の動きに合わせて力強く踏み込んだ。ラスト2ハロンは11秒6、11秒4と抜群の加速ぶり。鞍上は「しまい重点だったけどいい動き。しっかり反応もしてくれる」と充実した表情を浮かべた。
昨年の宝塚記念(4着)以来3戦ぶりのコンビ。久々の“再会”でも、経験豊富な6歳馬に大きな変化は求めない。「相変わらずディープボンドだなって。僕が乗った中では変わりない」。その中でも、レースに向けての上昇カーブを確かに実感。「追い切りはやるごとに良くなっている。頼もしい限り」と全幅の信頼を寄せた。
前走の有馬記念は8着で、不完全燃焼な結果に終わった。雪の影響で渋滞が発生し、中山への到着が大幅に遅延。大外16番枠、差し有利の流れで厳しい競馬を強いられた。「渋滞の影響もあったのか。前に行った馬がつぶれる展開で、しょうがないかな」と大久保調教師。「ダメージはなさそうで順調にきた」と立て直しに手応えを示す。
和田竜は「目標は天皇賞・春」と明言。一昨年、昨年もここを勝って臨んだが、ともに2着で涙をのんだ。「この馬の走りができたら一番強いと思って乗るだけ」と鞍上。悲願の春の盾取りへ向けて、ゴールドシップ(13~15年)以来の3連覇で弾みをつける。(水納 愛美)