大混戦の先に(美浦)

皐月賞に臨むソールオリエンス
皐月賞に臨むソールオリエンス

 こんばんは、坂本です。今日は美浦から帰ってきて、在宅勤務な金曜日です。

 それにしても今週の水曜日はひどい目に遭いました。何がって美浦トレセンで朝から強風に見舞われたのです。ようやく個人的にはスギ花粉が一段落して、クスリも目もこすらないですむな、と思っていたところ、砂ぼこりでコンタクトレンズをした両目はゴロゴロ感MAXでした。

 取材する声は通りにくいし、ノートや資料がめくりにくく、帽子を飛ばされる関係者の姿もちらほら。追いきりにも影響があったとは思いますが、ソールオリエンスに乗っていた横山武騎手に聞くと、「直線は馬場の内側から外側に向かって吹いていて、時計にはそんなに影響しなかったのでは」とのこと。「追い風で時計が出やすかった」という関係者の声もあり、確かにWコースのラスト1ハロン11秒台はそれなりに出ていました。オマケに週末は雨予報とあって、なかなかお天気に悩まされる一週間です。

 それでは本題へいきましょう。先週の桜花賞は、リバティアイランドの豪脚に圧倒されましたが、関東馬ではペリファーニア(牝、父モーリス)が、好位4番手から3着に好走しましたね。あわや、と思わせるシーンもあっただけに、今後への期待が膨らみます。鹿戸調教師は「あくまで馬の体調と相談しながらですが、オークスに行く予定」として、今週末に放牧に出されます。

 6着のシンリョクカ(牝、父サトノダイヤモンド)、10着のエミュー(牝、父ハービンジャー)、12着のキタウイング(牝、父ダノンバラード)も、馬体の回復をみながら、オークスに向かう方向とのことでした。私が本命にしたシンリョクカは、最後の直線で追い上げ及ばずでしたが、脚力のあるところを見せてくれたと思います。吉田豊騎手に聞くと「まだ非力な感じで力をつけてくれたらと思いますが、返し馬なども我慢はできていました。距離が延びても大丈夫そう」と収穫を口にして、竹内調教師も「距離は忙しいかなと思っていたが、レースは格好をつけてくれた。次の方が条件はいいと思います」ときっぱり。まだまだ追いかけていきたいと思います。

 そして今週は皐月賞です。本命は最内枠に入ってもソールオリエンス(牡、父キタサンブラック)で初志貫徹といきまして、すでに紙面やネットで記事は再三書いてきているので、詳しくはそちらをお読みいただければというので割愛しますが、やはり今週の取材でも気になる馬が多かったですね。

 まずは関西馬のベラジオオペラ(牡、父ロードカナロア)と初コンビを組む田辺騎手。栗東で1週前追い切りに騎乗してきましたが、「乗りに行ってよかったです。まだ緩いけど、動きに余裕があるし、反応もいい。本当にいい馬」と、いつもは冷静な口ぶりのジョッキーにしてはかなりの熱が伝わってきました。重い印を打ちましたが、かなりの素質馬なのは間違いありません。

 そして外枠に入ってしまいましたが、メタルスピード(牡、父シルバーステート)も斎藤誠調教師が怪気炎を上げていました。「賢い子で一戦一戦成長しています。このメンバーだったら、楽しみが大きい」として、「僕とか乗っているスタッフはマイラーと思っていて、ここまでしか5大(競走)登録をしていない。2000Mまではもつと思います。NHKマイルCにも行きたかったが、(賞金的には)1勝クラスを勝っただけなので、不退転の決意でここへ。いい仕上がりで楽しみです」と、いつにもまして強気な印象でした。確かに追い切りの動きは良く、念には念を入れて馬券的には流しておきたくなる一頭です。誰もが印が足りなくなるG1となりましたが、混戦を断つのはどの馬か楽しみです。

 ここからは2歳馬情報にいきます。まずは武井厩舎からです。キャロットファームのシュトラウス(牡、父モーリス、母ブルーメンブラット)は、3月中にゲート試験に合格して、4月1日に放牧に出ています。きょうだいは勝ち上がっている馬が多く、母は08年のマイルCSの勝ち馬という良血です。Wコースでの追い切りをふまえて武井調教師は「思っていた以上に動けていたし、見た目は猛々しくてコントロールが利きづらいのかなと思っていたが、賢くて言うことを聞く子。芝の1600、1800からいくことになると思いますが、距離を延ばしても大丈夫なように調教していきたいと思います」と、6月の東京デビューを見据えています。

 G1レーシングのセンドネージュ(牝、父サトノクラウン、母シナノネージュ)は、一族にG1馬ハットトリックなどがいる血統で、半姉ブランネージュは14年のフローラSで2着に好走しています。こちらもゲート試験に合格して、すでに放牧に出されていますが、「すごい素直な馬。学習能力が高くて、新馬戦から力を出せるタイプ」と、こちらも6月の東京を視野に入れています。

 あと速攻系では古賀慎一オーナーのハビレ(牡、父ヘニーヒューズ、母トモトモリバー)も、6月の東京を意識しているそうです。これもゲート試験に合格して放牧に出ており、「1400のダートを考えていて、いかにもヘニーヒューズ産駒。スピードがありそうで、前向きな性格です」と順調に仕上がってきているようです。

 次に取りあげるのは和田正厩舎のサンデーレーシングのヘルミーネ(牝、父キンシャサノキセキ、母エノラ)です。4月7日に入厩して、ゲート試験合格を目指しています。母は独オークス馬ですね。和田正調教師にうかがうと、「2歳の牝馬にしては、落ち着いている感じです。そんなにテンションは上がっていないし、ゲートを頑張っています。キンシャサノキセキですが、けっこう大きい走りをするので、距離があってもいいのかもしれません」と評価していました。こちらも順調にいけば、早期デビューが期待できそうです。

 宮田厩舎ではハットルグリムス(牡、父モーリス、母エルノルテ)が、4月6日にゲート試験に合格。今週の水曜日に美浦・坂路で追い切りを消化しています。宮田調教師は「先週末にWコースでやって、ペースが上がった方がよくて、余裕をもって動けています。早くても3回東京の最後か、どうするかは牧場さんと相談して、動きをみていきながら決めていきたいですね」と説明して、今週末には放牧に出ます。

 スリーエイチレーシングのピューロマジック(牝、父アジアエクスプレス、母メジェルダ)も、ゲート試験に合格して、今週の水曜日に坂路で時計を出しています。「すごい気のいいタイプです。きょうだいにバグラダスがいて、この子も芝、ダートを問わず走ってくれそう」と評価しており、デビュー時期などについては7月の福島の芝1200Mなどをイメージしているそうです。

 それでは今日のところはこのへんで。

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