【フローラS】衝撃デビューのドゥムーランさらに上昇「動き違う」

動きに素質を感じさせるドゥムーラン(左)
動きに素質を感じさせるドゥムーラン(左)

◆第58回フローラS・G2(4月23日、東京競馬場・芝2000メートル)=4月19日、美浦トレセン

 デビュー戦の前走は2回中山開幕週の芝・2000メートル。前有利の馬場状態で3角ほぼ最後方と絶望的な位置から、大外を回っての差し切りV。並の馬ではない。ドゥムーランが秘めるポテンシャルを感じるには十分な動きだった。

 美浦・坂路にルージュフェリーク(5歳1勝クラス)とともに登場すると8馬身半追走してスタート。道中は弾むようなフットワークから軽快にラップを刻む。ゴール前では鞍上が軽く促すとスッと加速して52秒4―12秒4でフィニッシュ。とにかく反応の良さが際立つ最終デモだった。初戦を使った後のテンションの高さにも注視していたが、実に落ち着いた走りで駆け抜けた。

 初戦は脚元の関係もあってびしっと追っていなかったなかでの勝利。尾関調教師も「1回使ってピリッとして落ち着いているし、前走とは動きが違った」と明らかな上昇度を感じ取った様子。初戦は意識して後方からの競馬を選択したようだが、前進気勢が増した今回はポジションを取って運ぶことも可能だろう。

 祖母アゼリは米11冠馬で02年には年度代表馬にも輝いた。母も砂で3勝を挙げており、母系はダート色が濃い。だが、きょうだい2頭はともに芝で3勝しているだけに、ドゥムーランも軽さを感じさせるフットワークから芝での活躍を予感させる。

 初戦のパフォーマンスがそれを証明している。次位に1秒1差というラスト3ハロン34秒2は今年の同舞台2位タイで、2月の中山の芝ではなかなかお目にかかれない数字。それを既走馬相手の初陣でやってのける非凡さ―。直線の長い東京コース、初の左回りとなるが、最終追い切りを見る限り、飛躍の壁になるとは思えない。(石行 佑介)

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