国内最大の競走馬の競売「セレクトセール2023」が10日、北海道苫小牧市のノーザンホースパークで行われた。1歳馬222頭がセリにかけられ、昨秋以降に国内外G1・4連勝のイクイノックス(牡4歳)などを輩出したキタサンブラックの種牡馬評価が急上昇。最高額タイの3億1000万円がついた「インクルードベティの2022」(牡)を始め、産駒6頭が計9億7700万円で落札された。11日は当歳セッションが開催される(価格は税別)。
キタサンブラック産駒に前評判通りの高値がついた。米G1勝ちの母を持つ「インクルードベティの2022」が3億1000万円の最高額タイ。落札したダノックスの岡田良樹ディレクターは「今まで牡馬クラシックを取れていないので、そのあたりを意識して。今年のリストの中でも一番いいと思っていた」と、早くも牡馬クラシック制覇の期待をかけた。
同産駒の過去最高額は20年ジャスティンボルト(3歳未勝利)の1億9000万円。最近2年間は1億円超えもなかった。しかし昨年のセレクトセール以降、産駒はイクイノックス、皐月賞馬ソールオリエンスで一気の国内外G1・5勝。「アイムオールレディセクシーの2022」(牡)にもこの日4番目の落札額となる2億9000万円がついた。
競り落とした広崎利洋HDの広崎代表は「どこまでも行く(競り続ける)つもりだった。長く楽しめる馬になってほしい」と胸をなで下ろし、来春開業予定の福永祐一調教師に預託する方針を明らかにした。福永師は「開業が確定していないにもかかわらず、このような高額馬を託すと言っていただいたオーナーに感謝したい。芝の中長距離で期待しています」と将来を見据えた。
キタサンブラック産駒は「ダイヤモンドディーバの2022」(牡)も1億7000万円でロデオジャパンが落札と、上場6頭のうち3頭が1億円超え。11日の当歳セッションでは15頭がセリにかけられる。さらなる人気沸騰に拍車がかかる可能性は十分だ。(山下 優)