1998年の阪神3歳牝馬S(現阪神JF)を制し、同年のJRA賞最優秀3歳牝馬(現2歳牝馬)に輝いたスティンガー(牝27歳)が9月21日、けい養先の北海道日高町・社台ブルーグラスファームで老衰のため死んだ。JRAが同日、発表した。
名門・藤沢和雄厩舎から1998年11月8日に東京でデビューし、新馬戦から3連勝で阪神3歳牝馬S(現阪神JF)を勝利した。続く桜花賞は12着に敗れたが、4歳牝馬特別を制し、オークスでは4着に入った。重賞はG1を含む5勝で通算21戦7勝。引退後は繁殖牝馬として活躍し、谷川岳S(オープン)を制したサトノギャラントなどを出した。
東礼治郎・社台ファーム場長「名伯楽だった藤沢和雄調教師が、この馬なら挑戦する価値があるとおっしゃって、連闘を敢行、みごとに阪神3歳牝馬Sを制したことはいまも記憶に残っています。その後、不振の時期もありましたが、不屈の精神のようなものをそなえた馬で、6歳(現表記)の春に競走生活を卒業するまで、常に一線級のメンバーと戦いつづけてくれました。繁殖牝馬としても堅実な産駒を数多く送り、その血は広く枝葉を伸ばしつつあります。27歳の大往生ということもあり、残念という思い以上に、感謝の思いがつのるばかりです。今はひとえに冥福を祈りたいと思います」