◆第84回菊花賞・G1(10月22日、京都競馬場・芝3000メートル)
日本ダービーを勝ったタスティエーラが、5か月ぶりの秋初戦で2冠を狙う。だがグレード制導入後の1984年以降、ダービーからの直行馬は馬券圏内ゼロ。データ面からは推しづらい。不当に人気を落とす実力馬が巻き返してくる可能性は十分に考えられる。
まず注目したいのが「ダービー惜敗馬」。今年の日本ダービーは、4着のベラジオオペラまで首、鼻、鼻差でタイム差なしの大接戦だった。近年の菊花賞との関連性を振り返ると、“頂上決戦”でタイム差なしで敗れた馬がことごとく好走。2000年以降で3例とクラシック最終戦に出走してくる馬自体が少ないが、すべて連対を果たしている。00年のエアシャカールは皐月賞との2冠馬となり、10年のローズキングダムはビッグウィークの2着。16年のサトノダイヤモンドは最後の1冠でクラシックホースの勲章を手にした。
今年はソールオリエンス(2着)と、ハーツコンチェルト(3着)が該当するが、馬券的な妙味は明らかに後者。ハーツコンチェルト(父ハーツクライ)は血統面でもレースとの相性がいい。サンデーサイレンス直子の父に、母の父アンブライドルズソングの組み合わせの馬は、14年にレコード勝ちしたトーホウジャッカル(父スペシャルウィーク)、20年に無敗の3冠を達成したコントレイル(父ディープインパクト)と過去10年で2勝し、いずれも京都開催だ。過去10年で前走4着以下の馬は【0・0・1・39】とふるわないが、覆すだけの実力は持ち合わせていると言っていい。