イクイノックス電撃引退は父・キタサンブラックの種付け料倍増も影響か

イクイノックスの馬上でガッツポーズするルメール騎手
イクイノックスの馬上でガッツポーズするルメール騎手

 先週のジャパンCでG1・6連勝を飾り、歴代最多の獲得賞金22億円超となったイクイノックス(牡4歳、美浦・木村哲也厩舎)の電撃引退が30日に発表された。有馬記念に万全の状態で出走することは難しいと判断し、余力を残した4歳のうちに種牡馬入り。北海道の社台スタリオンステーションでけい養され、産駒は早ければ27年にデビューする。

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 まだ4歳のイクイノックス。秋2戦の走りから、引退を惜しむファンの声が続出するのは想像に難くない。ただ、ブラッドスポーツと言われる競馬は、強い馬ほど後世に優秀な血を残すことを求められる世界だ。

 05年に無敗の3冠達成などG1を7勝し4歳でターフを去ったディープインパクトの時も早過ぎる引退が話題になったが、今年10月に種牡馬としてJRA通算勝利数歴代単独1位(2750勝目)の大記録を樹立。無敗3冠のコントレイルや牝馬3冠のジェンティルドンナを送り出し、日本ダービー馬7頭の父にもなった。まだエネルギーが残っている早い段階でターフを去ったことで、偉大な父サンデーサイレンスを超越することができた。

 24年度の種牡馬の種付け料でイクイノックスの父キタサンブラックが昨年の1000万円から倍増の2000万円でトップに躍り出た。自身の活躍によって父の人気が急騰したことも、このタイミングでの引退決定に影響したと考えられる。

 ディープ産駒は海外での評価も高く、海外G1でも結果を出している。4歳で新たなステージに踏み出したイクイノックスも国内だけではなく、世界から注目される種牡馬になるだろう。(東京本紙担当・西山 智昭)

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