◆第75回阪神JF・G1(12月10日、阪神競馬場・芝1600メートル)
2歳牝馬の頂点を決める阪神JF・G1は10日、阪神競馬場で行われる。今年は好相性のアルテミスS1着馬が参戦を見送り、3枠を巡る抽選にも10頭が待機する混戦ムード。主役候補の重賞馬、コラソンビート(美浦・加藤士厩舎)は厩舎のG1初勝利をかけて大一番に挑む。
開業5年目でG1初制覇を狙う加藤士厩舎のコラソンビートは、京王杯2歳Sを含む唯一の3勝と実績最上位だ。21年のG1は皐月賞にルーパステソーロ(14着)で挑んで以来2度目となるが、期待は大きい。加藤士調教師は「新馬戦で負けた相手も出てくるが、あの頃よりも成長しているので。チャンスなので、いい結果が出るようにしっかりと仕上げていきたい」と力が入っている。
6月4日の新馬戦(東京・芝1600メートル)は好位5番手からしぶとく脚を伸ばして3着を確保。勝ったボンドガールは続くサウジアラビアロイヤルCで2着に好走し、2着のチェルヴィニアはアルテミスSを制覇するなどハイレベルなメンバーで、ただの3着ではなかった。「新馬の時は全然子供という感じで」と振り返るだけに、伸びしろは大きい。
「一戦一戦使うごとにシルエットが良くなって、筋肉の付き方、張り、筋とか。あと精神面も競馬に向けてピリッとして馬も分かってきている」と心身両面の成長を感じ取る。重賞初制覇の前走で鋭い差し脚を繰り出せたのは、何よりの証拠だ。
加藤士師自身もその前走が厩舎として重賞初Vで、今年は年間最多タイのJRA19勝を挙げるなど、着実にステップアップしている。人馬ともに新たなステージへ、さらに駆け上がるチャンスが来た。(坂本 達洋)