【JRA賞】偉大な父・キタサンブラックに並んだ イクイノックスが史上初の父子で2年連続年度代表馬 

史上8頭目の2年連続で年度代表馬に選ばれたイクイノックス(写真は引退式)
史上8頭目の2年連続で年度代表馬に選ばれたイクイノックス(写真は引退式)

 2023年度のJRA賞が9日に発表され、国内外G1を4連勝したイクイノックス(牡4歳、美浦・木村厩舎)が、昨年を上回る99・3%の圧倒的な得票率で史上8頭目となる2年連続の年度代表馬に選ばれた。父キタサンブラックと親子で2年連続の選出は史上初。票が割れた最優秀ダートホースは、史上4頭目の同一年JRAダートG1ダブル制覇を果たしたレモンポップが輝いた。授賞式は29日に都内で行われる。(年齢表記、所属はすべて23年時点)

 偉大な父に肩を並べた。イクイノックスは総投票数295票のうち、293票を獲得して昨年に続いて年度代表馬に輝いた。18年のアーモンドアイ以来の満票こそならなかったが、得票率は昨年の97・9%から99・3%にアップ。2年連続の選出は16、17年のキタサンブラック以来8頭目だが、親子で2年連続の選出は史上初(※)の快挙となった。

 23年はドバイ・シーマクラシックで海外G1初制覇を決めると、続く宝塚記念で秋春グランプリ制覇。天皇賞・秋は1分55秒2の驚異の日本レコードで連覇を飾り、ラストランのジャパンCでは牝馬3冠のリバティアイランドに4馬身差をつける完勝。圧巻のパフォーマンスで、最優秀4歳以上牡馬の部門では294票を集め、満票にあと1だった。

 木村調教師は「秋2戦は世界中のファンの皆様に納得していただけるパフォーマンスをしてくれたと思っております」と改めて馬に感謝。主戦を務めたルメールも「(23年は)4戦4勝というパーフェクトな成績を残してくれました。本当の強さを見せてくれて、私にとっても忘れられない馬です」と感慨深げだった。

 総獲得賞金22億1544万6100円(海外4億5889万100円含む)で歴代1位、レーティング世界1位など圧倒的な成績を残して社台スタリオンステーションで種牡馬入り。新種牡馬としてはディープインパクトやコントレイルの1200万円を超える史上最高額の2000万円にも関わらず、種付け料が発表された当日に満口になった。父のキタサンブラックにも種付け依頼が殺到しており、27年には産駒による“親子対決”が実現へ。9冠の名牝アーモンドアイとの交配も予定しており、また新たな伝説が始まろうとしている。(西山 智昭)

 (※)親子年度代表馬は5組(JRA賞となった87年以降では、3組6例)。父トウショウボーイ(76年)と息子ミスターシービー(83年)。父シンボリルドルフ(84、85年)と息子トウカイテイオー(91年)。父ディープインパクト(05、06年)と娘ジェンティルドンナ(12、14年)。父ロードカナロア(13年)と娘アーモンドアイ(18、20年)。父キタサンブラックと息子イクイノックスで、ともに2年連続の受賞は初めて。

 イクイノックス 父キタサンブラック、母シャトーブランシュ(父キングヘイロー)。美浦・木村哲也厩舎所属の牡4歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算10戦8勝(海外1戦1勝含む)。総獲得賞金は22億1544万6100円(海外4億5889万100円含む)。23年の勝ち鞍は、ドバイ・シーマクラシック、宝塚記念、天皇賞・秋、ジャパンC(以上G1)。馬主は(有)シルクレーシング。

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