◆第41回フェブラリーS・G1(2月18日、東京競馬場・ダート1600メートル)
いよいよ2024年JRA最初のG1、第41回フェブラリーS(東京)が18日に行われる。主役を張るウィルソンテソーロはチャンピオンズC、東京大賞典でともに人気薄で2着と充実著しい。小手川準調教師(52)=美浦=が「東京の速い決着はこの馬に合う」とG1初勝利に自信。JRAダートG1馬がいない異常事態の混戦でビッグタイトルをつかむ。
もうダークホースとは言わせない。昨年のチャンピオンズC(12番人気)、東京大賞典(6番人気)と、G1で連続2着と激走したウィルソンテソーロが、今回は堂々の主役として初のビッグタイトルを狙う。自身もJRA重賞初Vがかかる小手川調教師は「もちろんG1もですが、まだ(厩舎が今年)JRAで勝っていないので早く勝ちたい」と気を引き締める。
転厩初戦だった昨年のかきつばた記念から地方交流重賞を3連勝し、素質が開花。近走で連対を外したのは3走前のJBCクラシック(5着)のみだが、トレーナーは「(力を要する)砂質もそうだし、(伸びにくい外を通ったことでの)内と外のトラックバイアスも顕著だった」と敗因は明確。それを踏まえて前走は同じ大井でも、積極策に出て弱点をカバーして大健闘の走りを見せた。
まだまだ伸びしろを秘めている。2歳8月の新馬戦後の骨折の影響で脚元への負担を考慮し、現在も美浦・坂路中心の調整。去年の夏場は改修工事のため坂路が使用できず、思うような調整ができないなかでの快進撃だった。トレーナーは「(Wコースしか使えず)キープしかできない状態だった。坂路を使えるようになって初めて負荷がかけられた」と振り返り、暮れのG1激走へつなげた。
東京のマイル戦は2勝クラスを勝った22年11月以来。それでも、小手川師は「東京の速い決着はこの馬に合う」と好条件とみる。新たに松山を鞍上に迎えて「本人から連絡がありましたが、調教に乗る必要はないと伝えました。返し馬でコンタクトできれば大丈夫なので」と操縦性や折り合いに不安はない。いざG1奪取へ。府中のダート決戦で、その名を輝かせる。(坂本 達洋)
◇冠名「テソーロ」の競走馬には政治家からの名前も多く、ウィルソンテソーロは国際連盟を提唱した米国・ウィルソン元大統領が由来とみられる。ほかにはバイデンテソーロ、カーターテソーロ、ケネディテソーロなどがいる。