◆サウジC・G1(2月24日、キングアブドゥルアジーズ競馬場・ダート1800メートル)
世界最高の優勝賞金1000万ドル(約14億1400万円)で、JRA海外馬券発売対象のサウジカップ・G1(キングアブドゥルアジーズ競馬場・ダート1800メートル)は24日夜(日本時間同日26時40分)に行われる。パンサラッサが日本調教馬初の勝利を収めた昨年に続き、日本から5頭が参戦。昨年の最優秀ダートホースのレモンポップ(牡6歳、美浦・田中博厩舎)と挑む坂井瑠星騎手(26)=栗東・矢作厩舎=が、コラム「Shooting Star」特別編で“世界一”への思いを明かした。
レモンポップとサウジCに挑戦します。初めてコンビを組ませてもらったフェブラリーSが1年前。あっという間でした。毎週競馬があるなかでも、レモンポップはずっと頭の片隅にはいました。もしかしたら、こんなにすごいダート馬に出会うことはないかもしれません。1回1回を大事にしないと、と思っています。
世界最高の賞金で、昨年のブリーダーズCクラシックを勝った馬(ホワイトアバリオ)や、今年のペガサスワールドCを勝った馬(ナショナルトレジャー)など、アメリカの一線級も出ます。ここで勝ったら、もう世界一と言ってもいいレベル。世界一になれる可能性がある馬に乗れることは、とてもありがたいですし、責任も感じます。日本では昨年の最優秀ダートホースに選ばれたチャンピオンですが、気持ちはチャレンジャー。日本代表として、世界を相手にどれだけやれるか、という思いです。
サウジアラビアに行くのは4回目ですが、サウジCに乗るのは初めて。一つだけ賞金がずば抜けて高いですし、独特な雰囲気がありますね。ですが初めて行くわけではありませんし、今までの経験が必ず役に立つはずです。サウジアラビアのダートは、馬場状態が年によって違い、行ってみないと分かりません。当日どれぐらい水をまくかにもよります。ですが、今までレモンポップに乗った感触、サウジのダートに乗った感触からしたら、問題はないと考えています。「郷に入れば郷に従え」で、向こうでできることをやるだけです。
8日は美浦で追い切りに乗りました。歩様が良くて、2週前の段階では今までで一番いい感触でした。去年はドバイ・ゴールデンシャヒーン(10着)で悔しい思いをしました。環境の変化に戸惑っている感じがありましたが、それは絶対今回につながりますし、リベンジという意味もあります。無事に、今のまま競馬まで向かってくれれば、力は出せるはずです。
サウジCの日は、全部で4頭に騎乗。本当にありがたいです。特に、サウジダービーのフォーエバーヤングはチャンスですね。どれだけのポテンシャルを持っているか、計り知れません。昼間のレースもナイターも、右回りも左回りも、現時点の3歳にしては、色んな経験もできています。
1年前は、まさかサウジCに向かうとは思っていませんでした。簡単ではありませんが、とても楽しみです。レモンポップにふさわしいジョッキーにならないと、という思いも持って挑みます。今年から日本で馬券が発売されるということで、素晴らしいメンバーがそろいますし、遅い時間ですが応援していただけるとうれしいです。(JRA騎手)
国際騎手招待競走出場「ジョッキーが主役のレースだから楽しみ」
○…坂井はサウジCデーの前日、国際騎手招待競走「インターナショナルジョッキーズチャレンジ」(23日、キングアブドゥルアジーズ競馬場)に日本人で唯一出場。海外の招待競走に選ばれるのは初めてで、今回は英国の名手ライアン・ムーアなどと計4競走で腕を競う。「ジョッキーが主役のレースだから楽しみ。どれだけ臨機応変にできるか」と期待に胸をふくらませた。