【こちら日高支局です・古谷剛彦】馬産地で人気のピクシーナイト 欧州パワー系牝馬とマッチする可能性も

モーリスの後継種牡馬として期待がかかるピクシーナイト
モーリスの後継種牡馬として期待がかかるピクシーナイト

 引き続き、種牡馬展示会レポートをお届けする。

 8日は日高町門別のブリーダーズスタリオンステーション(文中のスタリオンステーションは以下SS)が開催し、新たにスタッドインしたピクシーナイト(牡6歳、父モーリス、母ピクシーホロウ)や、社台SSから移動したサトノダイヤモンドとリアルスティールなど、17頭がお披露目された。

 ピクシーナイトはモーリスの初年度産駒で、国内初の産駒G1馬となり、初の後継種牡馬でもある。モーリスは、ジャックドールやジェラルディーナのほか、オーストラリアでも2頭のG1馬を送り出し、国内のみならずオセアニア地区でも大人気の種牡馬だ。イクイノックスを筆頭に、母の父キングヘイローの重賞ウィナーが目立っているが、スピード色の濃い血統背景は、国内や北米などのスピード豊かな繁殖牝馬はもちろん、欧州のパワータイプとの配合にもマッチする可能性があり、馬産地での人気も高い。

 ダーレー・ジャパンスタリオンコンプレックスは、2月5~12日(土日除く)の中で事前予約を行い、関係者にゆっくり種牡馬を見てもらうオープンハウスのスタイルで今年も開催された。7日に報道陣へのお披露目が行われ、新種牡馬4頭を含む12頭が展示された。パレスマリス(牡14歳、父カーリン、母パレスルーマー)は以前のコラムで詳細に書いたので、ここでは3頭に触れたい。

 パレスマリスと一緒にスタッドインしたヨシダ(牡10歳、父ハーツクライ、母ヒルダズパッション)は、ダーレー・ジャパンにとってディープスカイ以来となるサンデーサイレンス系種牡馬の導入。2015年セレクト1歳において9400万円で落札された後、北米で現役生活を送り、芝ダートともに9ハロンのG1を制した。半妹に2020年シンザン記念を制したサンクテュエールなどがいる牝系で、国内で求められる早期デビューやスピードも兼ね備えているうえに、北米のダートで戦い抜いたパワーも魅力だ。

 フクム(牡7歳、父シーザスターズ、母アガリード)はキングジョージとコロネーションCを制した英中距離のトップホース。一昨年のインターナショナルS(G1)まで10戦全勝の偉業を成し遂げたバーイードの全兄という血統背景も魅力だが、顔が小さくて凛々しく、馬体も素晴らしい。個人的に好きな馬で、種牡馬としての可能性を大いに感じる。

 アダイヤー(牡6歳、父フランケル、母アンナサライ)は、2021年英ダービー馬で、同年のキングジョージも制している。フランケル産駒は、社台SSにグレナディアガーズ、優駿SSにウエストオーバーがスタッドインし、日本でもいよいよフランケルの後継争いが熾烈となるが、本場のダービー馬の意地を見せることができるかが注目される。

 来週は静内地区の3か所をお届けする。

(競馬ライター)

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