こんばんは、坂本です。今日は中京競馬出張に向かう東海道新幹線の車内からお届けしております。
さて、今週の競馬界の出来事で話題に上がったのは武士沢友治騎手の引退でしょうか。今年で28年目だったベテランの“いぶし銀”で、渋い活躍でファンに愛された騎手だったと思います。
かくいう私も競馬ファンの頃から、ひそかに武士沢騎手のことはなぜか気になる存在でした。06年の有馬記念でトウショウナイトから馬券を買うなど、夢の一発を願って応援していたんです。縁があって2017年から競馬担当になりましたが、その年の関屋記念でマルターズアポジーを本命で馬券を当てた思い出は忘れられません。今はなき美浦トレセンの旧スタンドの騎手控え室で、マンツーマンで話を聞かせてもらい、その後の札幌出張の軍資金になったのはいい思い出です。
今週の取材で改めてアポジーのことを聞くと、「前向きじゃなくて怖がりだったね。馬の本能。そういうのが競馬に向いて走ってくれました。馬の個性ですよね」としみじみ。今週の日曜中山5R・3歳未勝利戦(芝2000M)には、その産駒のオリジナルオリジンとコンビを組み、「非力な女の子で、今後に期待したいけど、その子に乗れるのはうれしいかなと思う」と静かにかみ締めていました。この場を借りて感謝を申し上げます。
それではそろそろ本題へ。今週は2歳馬のことからいきましょう。すでに以前のブログで紹介した田中博厩舎のクラリネットソナタ(牝、父ナダル、母レニーズゴットジップ)は、今週3月7日に美浦でゲート試験に合格しました。評判の高い馬なので、今後も追いかけていきます。そしてこの時期はPOGに関する取材が厩舎ごとに行われたりしますが、新種牡馬のサートゥルナーリア産駒の評判がいいという話を今週は耳にしましたね。種牡馬戦国時代らしく、様々な初年度産駒を狙う手もあるかもしれませんね。ちなみに国枝厩舎も、2歳馬が入って来るそうです。
その国枝厩舎の3歳馬の話題にいきますと、先週のチューリップ賞で重賞初制覇を狙ったミラビリスマジック(牝、父キズナ)は、好位から伸びきれず6着に終わりました。国枝調教師は「いいスタートをして、いい流れでいけたが、タメが利いていなかったのか。とは言えねえ…」と、渋い表情でした。3月7日に放牧に出されて、状態などを見極めたうえで今後の方針を決めることになるそうです。
そして来週のスプリングSにスタンバイしているシックスペンス(牡、父キズナ)は、順調な仕上がりを見せています。今週は美浦・Wコースで古馬相手に併せ馬を行い、5ハロン65秒5―11秒5を馬なりでマーク。国枝師は「競馬は乗りやすいし、折り合いに心配はない」として、距離延長も問題ないという構え。本番を見据えて好結果を期待したいところです。
またフリージア賞で8着に敗れて、現在は放牧に出ているバードウォッチャー(牡、父ブラックタイド)は、「次の東京かな。現状では期待ほどレースでは動けていない。前走の感じだと、マイルくらいがいいのかな」と語っていました。母アパパネという厩舎ゆかりの良血馬ですが、ちょっとじっくり構えることになりそうです。
阪神JFで2着に好走して、桜花賞に直行するステレンボッシュ(牝、父エピファネイア)は、来週末くらいに帰厩してくる見通しとのこと。また桜花賞に登録予定のルージュスエルテ(牝、父ハーツクライ)は、除外の場合はニュージーランドT(4月6日、中山)が有力のようです。
次は宮田厩舎へいきましょう。今週の注目株といえば、日曜の中山メイン・アネモネSに出走するエリカエスティーム(牝、父モーリス)ですね。今週は初コンビの丹内騎手を背にして美浦・坂路単走で53秒2―11秒9の好時計をマークしましたが、なかなか迫力のある動きでした。宮田調教師に聞くと「脚力はすごいですね。ジョッキーにも『すごくいい馬』と言っていました。うなって走っていましたからね」と、今度こそという意気込んでいました。桜花賞切符をつかむべく、走りに注目したいです。
そして2月の東京で圧巻のパフォーマンスで新馬勝ちしたセイロンジェムズ(牡、父レイデオロ)は、山藤賞(4月13日、中山)に向かうそうです。「距離は持ちそうです」という見立てで、こちらも楽しみです。
そして雲取賞で2着だったアマンテビアンコ(牡、父ヘニーヒューズ)も、楽しみな白毛のスター候補。このままだと優先出走権を獲得した羽田盃(4月24日、大井)に向かうものと見られますが、帰厩したら取材したいと思います。
それでは今日はこのへんで。