◆第38回ファルコンS・G3(3月16日、中京・芝1400メートル)
第38回ファルコンS・G3(16日、中京)で重賞に初挑戦するナムラアトムは、同じ栗東・長谷川厩舎にファルコンS所属する重賞4勝馬ナムラクレアの半弟。スケールの大きさを感じさせる走りで2連勝中と勢いに乗る。きょうだい重賞制覇を果たし、来週の高松宮記念でG1初勝利に挑む姉への援護射撃にする。
試金石の一戦で良血が開花する。ナムラアトムは、昨年の高松宮記念2着などスプリント路線を中心に活躍する重賞4勝馬ナムラクレアの半弟。デビュー戦は太め残りもあり3着に敗れたが、その後は未勝利と1勝クラスをともにメンバー最速の末脚を繰り出し連勝した。勢いに乗って重賞の初挑戦。姉も担当する疋田厩務員は「クレアは完成度が高かった。同じ時期で比べるのはかわいそうだけど、気が強いところは似ていますよ」と共通の“武器”を明かす。
前走は外によれてスタートし、他馬と接触。後方追走となったが、外を回るコースロスをものともしない差し切りだった。4着に負かしたセシリエプラージュが次走のG2・報知杯FRで3着に食い込んだように、粒ぞろいの一戦でもあった。同厩務員は「着差(半馬身)以上に強い内容だったと思います」と評価。「まだゲートは安定しませんが、この中間も練習して問題ありません」と課題克服にも手応えをつかむ。
7日の1週前追い切りは、栗東・坂路でナムラクレアと併せた。3馬身先行し、50秒8―12秒0の好時計。姉をあおる手応えで首差先着した。同厩務員は「クレアを最後まで集中させるテーマなので、意図した通り。時計は少し速くなったけど、ダメージはなかった。前回は3戦目で素軽さが出て良くなっていた。前走と同じくらいかな」。高いレベルで体調が維持できており、引き続き好パフォーマンスが発揮できるとみている。
今回の結果次第では、NHKマイルC(5月5日、東京)も見えてくる。「一線級とやるのは初めて。どこまでやれるか」と疋田厩務員。来週の高松宮記念で悲願のG1制覇に挑む姉に、勝利のバトンをつないでみせる。(玉木 宏征)