◆第72回阪神大賞典・G2(3月17日、阪神・芝3000メートル)追い切り=13日、栗東トレセン
久々の感触を確かめた。武豊は栗東・坂路でシルヴァーソニックに騎乗。単走で最後は軽く手綱を動かし、52秒6―12秒4で駆け上がった。「しまいはモタっとしたけど、いつもそんな感じらしい」と分析。明日15日に迎える55歳の誕生日を前に「8歳と55歳のコンビ。まさに久々久々やね」とシルバー世代に引っかけた表現で笑みを浮かべた。
祖母のスキーパラダイスは1994年の仏ムーランドロンシャン賞で初の海外G1タイトルを運んでくれたパートナー。母エアトゥーレも騎乗している「ゆかり」の血統だが、短距離色が強かった。しかし、いまやステイヤーに成長。池江調教師も「スタミナ太郎ですよ」と冗談っぽく口にする。
20年6月以来、3年9か月ぶり2度目の騎乗。「無観客競馬だった。あの景色は覚えていますよ」と懐かしそうに振り返る。10か月半ぶりの実戦は、昨年3着だった天皇賞・春(4月28日、京都)を見据えた前哨戦で良化の余地を残すが、「いい思い出がいっぱいある」と歴代最多8勝を挙げる伝統のG2戦。今年は多くのファンの前で、ベテランコンビが存在感を示す。(山本 武志)