【中京11R・高松宮記念】 昨秋はイクイノックス、リバティアイランドが出てくれば迷うことなく本命を打つことができたが、この春は3歳クラシック、短距離、マイル、中長距離すべての路線で確たる中心馬が見当たらず、一レースとして“ラッキークイズ”が存在しない。一層心して予想に励みたいと思っています。最後までお付き合いいただければ幸いです。
2013年にこのレースを勝ったロードカナロアがターフを去って以降、スプリント界は絶対王者不在の時代が続いている。加えて雨が多い季節のため、不安定な馬場コンディションがよりレースを難解にさせる。過去10年で良馬場で行われたのは3度だけ。20年からは重、重、重、不良馬場の中、レコードよりも2秒以上遅い勝ち時計を刻んできた。今年も雨の影響が避けられない様相だけに荒れ馬場への対応力の見極めが的中の必須条件になりそうだ。
ルガルが本命。前走のシルクロードSの勝ちっぷりには目を見張った。2番手から逃げたテイエムスパーダを早めにかわすと、直線追い上げたアグリを寄せ付けず3馬身差。57・5キロを背負い、自ら動いての完封劇だけに価値は高い。2着に5馬身差をつけた不良馬場の橘Sでは持ち前のピッチ走法で追われるごとに回転力を上げて他馬を圧倒。500キロ超の馬格から生み出す抜群のパワーと推進力で雨を含んだ芝、58キロも問題なくこなしてくるだろう。
直前の20日に滋賀県・栗東トレーニングセンターの坂路で51秒1―11秒7の好計時をマーク。見届けた杉山晴調教師は「1週前追い切りの後にイメージより仕上がった感じだったので無理をせず、最後だけ反応を見る形。指示より2秒ほど速かったのですが、全然問題ないかなと思っています。仕上がりは今までで一番いいので、しっかり結果を出したいです」とコメント。枠順発表の金曜には「集中力が増して、ゾーンに入っています」とさらに一段トーンを上げた。淡々と的確に管理馬を語るイメージがある昨年のリーディングトレーナーが、想定を上回る仕上がりと成長度に自信を深めている様子がみてとれた。
鞍上はこの馬の能力に全幅の信頼を置く西村淳騎手。過去4年で3度、人馬がG1初制覇を成し遂げたレースのトレンドに乗って、一気に頂点を極めるシーンがあっていい。
馬券は馬連(6)―(2)(3)(10)(8)(14)(5)(16)(12)。
◆不良馬場勝っているので大丈夫 ルガルは23日、栗東トレセンの角馬場で運動し、坂路を駆け上がった。馬体、動きともにパワフルで好仕上がりだ。「落ち着いていて雰囲気は良さそう。レースが近づいてきて集中力が高まっている感じがします」と杉山晴調教師。「(橘Sを)不良馬場でも勝っているので大丈夫だと思います」。雨が残りそうな馬場も問題なし、というジャッジだ。