JRA史上初めて調教助手から騎手(障害)への転身を果たした坂口智康騎手=美浦・尾形和幸厩舎=が、4月14日の福島5Rに出走するザスリーサーティ(牡9歳、美浦・尾形和幸厩舎、父ステイゴールド)で初勝利を目指す。
デビューから約1か月のここまでを振り返って「助手時代は厩舎作業の業務などもありましたが、馬に乗る回数や考える時間が増えました」と、今まで以上に馬乗りとしての技術を探求する日々を送る。そのうえで「尾形先生は馬乗りとしての相談はもちろん、やりやすい環境を整えてくれています。騎手の皆さんも障害や平地、年齢に関係なくアドバイスをくれて、気にかけてもらっています」と恵まれた環境にも感謝する。レースの流れやラップは、デビュー前に描いていたイメージ通りだったそうだが「障害へのアプローチの仕方だったり、前や横の距離感は手探りですね」と、自身の課題を冷静に分析する。
今回は前走で3着に好走した自厩舎のパートナーと2戦続けてコンビを組む。「芝馬なので福島に変わるのはいいと思います。テンションが高かったことを考慮して、今回は金曜日に輸送。土曜日にはスクーリングをして慣らします」と対策を講じて臨む。「チャンスのある馬に引き続き騎乗させていただけるのはありがたいこと。このチャンスを生かしたいですね」と、謙虚に意気込みを語った。
ザスリーサーティに騎乗する“サーティースリー“33歳のオールドルーキー。人馬一体となって、みちのくの障害を越えていく。