【皐月賞】ハイペース前崩れ濃厚、切れ味抜群のこの馬が一気に差し切る…大上賢一郎の見解

レガレイラ(カメラ・荒牧 徹)
レガレイラ(カメラ・荒牧 徹)

 【中山11R・皐月賞】少頭数&スローペースの前哨戦から一転、多頭数&ハイペースの皐月賞―。ここ数年でパターン化した一連の流れが今年も踏襲されるのか。

 年明け、京成杯から毎日杯まで9つの前哨戦が行われたが、本番の激流必至を予感させる勝ち馬が2頭出現した。

 ともに出負けし、早めにマクって押し切ったコスモキュランダ(報知杯弥生賞ディープインパクト記念)とサンライズアース(すみれS)。両馬は過去出走の、ほぼ全レースでスタートを失敗しているうえ、一瞬の切れを欠くタイプだけに、スローからの、いわゆる“ヨーイドン”の展開は避けたいところ。今回12番枠、15番枠を引き、前走と同様、外から早めに押し上げ、自らの生命線である持続力を生かす作戦を選ぶことになるはずだ。

 このマクリの連弾に、毎日杯を逃げ切った2番枠のメイショウタバルのほか、内からズラリと並んだ先行勢が応戦していけば、中間点過ぎの向こう正面でもペースがそれほど緩むことなく、前はつらい流れに。最終週のパワーを要する馬場にも脚力を奪われ、ラストの急坂で差し勢が一気に台頭するシーンが浮かぶ。

レガレイラ(左から2頭目)
レガレイラ(左から2頭目)

 牝馬のレガレイラが本命。多頭数を不安視する向きがあるが、そのマクリに合わせて仕掛けていけば、この馬にとって、意外とシンプルな運びになることも考えられる。前半1000メートル1分ジャストで流れたホープフルSで牡馬を相手に直線外から差し切りを決めた経験が黙ってはいないだろう。2キロ差の斤量55キロは間違いなく有利なうえ、中間の調整を見ても成長、充実ぶりが著しい。今回初コンビを組む北村宏司騎手を乗せた美浦・Wコースの1週前追い切りでは手綱を押さえ込んだまま、ラスト200メートル10秒9のすさまじい伸び脚だった。最後の直線で能力を全解放したとき、どれほどの切れ味を発揮するのか。想像しただけでゾクゾクする。

アーバンシック(カメラ・荒牧 徹)
アーバンシック(カメラ・荒牧 徹)

 相手筆頭はアーバンシック。レガレイラ、桜花賞馬ステレンボッシュと同じ、ディープインパクトの母であるウインドインハーヘアとダンスインザダークの配合馬「ランズエッジ」を祖母に持つ。中間の調整で頭の高い走りが改善されつつあり、近3年で2勝のシン皐月賞男・横山武史騎手とのタッグで一発の期待。京成杯の巧みな立ち回りを評価してダノンデサイルが3番手。馬連(10)―(9)(16)(13)(2)(14)(12)(1)(5)。

 ◆仕上がり万全 ○…レガレイラは13日、茨城・美浦トレーニングセンターの坂路を1本駆け上がった後にBダートコースで軽めに乗る、12日と同じメニューでクラシック1冠目に備えた。しっかりとハミを取り、脚さばきにダイナミックさも見られる。木村調教師は「3か月半の休みをもらえたのは個人的には良かったと思う。皆様に喜んでいただけるように最善を尽くしたい」と決意を語る。76年ぶりとなる牝馬Vへ向けて、仕上がりは万全だ。

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