◆第85回オークス・G1(5月19日、東京競馬場・芝2400メートル)
桜花賞馬ステレンボッシュをはじめ、今年も様々な臨戦過程から好メンバーがそろった印象だ。全出走馬にとって2400メートルは未知の距離であり、早い時期から実績を残してきた馬が有力という勢力図は変わらないと見られがちだろう。だが、フラワーCで重賞初制覇を飾ったミアネーロ(牝3歳、美浦・林徹厩舎、父ドゥラメンテ)は、伸びしろの大きさから十分に台頭できそうな一頭だ。
昨年9月の新馬戦では直線で外に膨らむ面を見せながら勝ち切り、気性面の若さなどの課題を感じさせた。だがデビュー3戦目だった前走は、中団の内で我慢できて、直線は内をさばいて抜け出して味のある内容だった。距離延長にあたって、操縦性の高さは大きな武器になり、まだキャリア3戦でさらに上積みが期待できるとみる。
22年のフラワーCを制したスタニングローズは、その後にオークスで2着に好走した。21年の3着馬ユーベーレーベンは、フローラS3着を挟み、オークスを制している。マイルよりも長い1800メートルの距離を経験しているのも、このステップの強みと言える。(坂本 達洋)