【オークス】ステレンボッシュ2冠注目も、01年レディパステルVに学んだ「競馬に絶対はない」 今年はフローラS覇者が気になる

フローラSを勝利したアドマイヤベル(カメラ・荒牧 徹)
フローラSを勝利したアドマイヤベル(カメラ・荒牧 徹)

◆第85回オークス・G1(5月19日、東京・芝2400メートル)

 牝馬クラシック第2戦、第85回オークス・G1は19日、東京・芝2400メートルを舞台に争われる。桜花賞馬ステレンボッシュの2冠達成に注目が集まるなか、「考察」担当・松末守司記者の脳裏に浮かんだのは01年オークスだった。よみがえる原体験をプロローグに、今年の樫の女王を探っていく。

 衝撃の1冠目から約1か月半。アパパネ、アーモンドアイと2頭の3冠牝馬を輩出した名門、国枝厩舎から出た桜花賞馬ステレンボッシュの1強ムードが漂う。5戦3勝の安定感のある戦績はもちろん、折り合い面の不安もなく、2冠取りは確実視されている。

 ただ、果たしてそうか。まだ駆け出しの記者だった01年。阪神3歳牝馬S(現阪神JF)、桜花賞を勝ち、2冠当確のランプがともっていたテイエムオーシャンが君臨していたが、私は成長力、適性を考慮し、フローラS2着から挑戦した上がり馬、5番人気のレディパステルを本命に推し、単勝1・8倍の怪物を退治した。

 「競馬に絶対はない」

 最初に痛烈に思い知らされたレースだったが、今回もテン乗りなど少なからず不安はある。「逆転」をテーマに今年を探っていきたい。

 上がり馬と言えば、フローラSの覇者アドマイヤベルは、気になる一頭である。

 キャリア3戦で迎えたその前走で成長の跡を示した。道中は6番手。向こう正面で外からこられても気にすることもなくしっかり折り合い、直線に向いてからも前にいた馬がやや外にきてもひるむことなく、馬場の真ん中を力強く突き抜けた。高い操縦性、抜群の勝負根性と切れ味は、大舞台では大きな武器になるはず。半姉にヴィクトリアマイルを制したアドマイヤリードがいる良血馬が、飛躍の春を迎え開花を強烈に印象づけている。

 加藤征調教師は「状態はまた良くなっているし、走りに弾みが出てきた」と自信の弁。過去、フローラS勝ち馬は3頭が勝利し、近10年でも2着3回。侮れない存在として心にとどめておきたい。(松末 守司)

 ◆01年オークスVTR 前年の阪神3歳牝馬Sから桜花賞までG1・2勝を含む3連勝のテイエムオーシャン(本田)が1・8倍と断然の1番人気。先団の外め4、5番手を追走し直線を向くが、坂の上りで4角10番手にいた4番人気のローズバド(横山典)がかわし、さらに後ろから伸びた5番人気レディパステル(デザーモ)が首差で勝利した。

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