【こちら日高支局です・古谷剛彦】ファン獲得の掘り起こしができる北海道

 6月8日の函館競馬からスタートしたJRA北海道シリーズは、1日の札幌競馬で閉幕した。7月20日に開幕した札幌競馬の売り上げ金額は、7週間14日間で1313億36万8100円と、前年比103.3%と、3年連続で前年を上回る数字を残した。21年が東京オリンピック開催の影響があった年で、札幌→函館→札幌のイレギュラーだったこともあり、この時の札幌競馬の売り上げは1000億円を下回ったが、前年より1週増えた20年に約1173億円の売り上げ金額を記録。通常開催に戻った22年以降は1224億円、1270億円、そして今年は1313億円を上回り、札幌記念を中心に重賞が数多く組まれる札幌競馬が、夏競馬を大いに盛り上げる要因となっている。

 今年は暑熱対策で、札幌と新潟の2場開催が行われた2週は、約3時間ほど札幌競馬が単独での発売が行われた。その効果が、前年から飛躍的に数字を伸ばした要因の一つにある。しかし、14日間の中で前年比を下回ったのは4日間のみ。最終週は2日間とも前年比116%を上回ったが、31日は昼まで強い雨が降る時間帯があり、客足は決して良くなかったものの、メインの札幌2歳Sが前年比108.8%を誇った。地元ファンはもちろん、「今年の最後だから」と遠方から来場されたファンも多かった。

 JRA北海道シリーズの売り上げ金額は、2256億8931万400円で、前年比103.8%をマークした。北海道の開催が13週間となった20年以降、前年の売り上げ金額を上回る状況を続けている。函館競馬が前年約903億円、今年が943億8894万2300円と、1000億円という大台が見えてきた。

 台風に加え、今年は雷雨の影響で新潟競馬はレースが取り止めとなるアクシデントもあった。不安定な気候が続く本州と比較し、涼しい気候が多い北海道は、夏競馬における環境は絶好の舞台である。毎年、この時期になると書いていることだが、11年まで函館、札幌各8週の開催に戻す…とまでは言いづらいところだが、売上が右肩上がりである状況から、北海道はファン獲得の掘り起こしができる場所だという認識を強く持ってほしい。日本の5大都市の中心地に競馬場を擁するのは、札幌だけである。また、ダートコースは門別競馬場がワンターンの1200メートルが施行でき、札幌と函館にない魅力的なコースでもある。JRA北海道シリーズが少しでも日程面で配慮があれば、平日の門別開催で交流競走を増やし、ダート馬が幅広く距離選択ができる状況を作ることも、一考の余地がある。(競馬ライター)

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