今年も秋のG1シーズンがやってきました。昨年の秋、今年の春に続き、スポーツ報知でコラムを連載することになりました。秋は国内だけでなく海外でも騎乗予定があるので、楽しみにしていてください!
この春は、サウジアラビア、ドバイ、香港、アメリカと海外でも多くのレースに乗りました。その中でも、フォーエバーヤングと挑んだケンタッキーダービーで、3着に負けた悔しさが一番印象に残っています。すごく頑張ったと思う反面、あそこまでいったら勝ちたかったです。
今まで日本馬が5着にも入ったことがなくて、全く想像もつかないレースでした。ですが現実に、勝ち馬とは鼻+鼻差。ハリウッドスターや芸能人と思っていたら、実はめちゃくちゃ近くにいたという感覚でした。驚きもありましたが、一番は悔しさ。だから余計に勝ちたかったです。
秋G1の開幕戦となるスプリンターズSは、高松宮記念を勝ったマッドクールに騎乗します。高松宮記念は2番枠も良かったですし、こちらの思い通りのレースでした。狙ったレースをできるのが、マッドクールのいいところ。こういう競馬をしたいと思っても、難しい馬だとできません。前走の香港のチェアマンズスプリントプライズ(11着)はゲートがうまくいかず、馬場もあまり向きませんでした。かみ合わなかっただけで、力負けではないと思っています。
1週前追い切りは、しっかり負荷をかけました。栗東・CWコースでラスト1ハロンは10秒9でしたが、いつもこれぐらいは動ける馬。G1を勝っていますし、変わらずにきているのが何よりです。状態に不安はありません。
僕の中では、鼻差で2着に負けた去年のリベンジという気持ちも強いです。同じ馬でリベンジできる機会は少ないですし、春、秋どちらも勝つチャンスがあるのはこの馬だけ。相手は強くなりますが、春のチャンピオンとしてここも勝ちたいです。
その後は凱旋門賞、ブリーダーズCクラシックも控えています。同じ年にシンエンペラー、フォーエバーヤングとすごい馬に乗せてもらっているのは、騎手としては一番うれしいこと。ゲームの世界みたいです。ただそれと同時に、責任感やプレッシャーも感じています。毎週、与えられた仕事をしっかりこなして、大舞台でも目立てるように頑張ります。
(JRA騎手)