◆第75回毎日王冠・G2(10月6日、東京競馬場・芝1800メートル、良)
東西で6日、伝統のG2が行われ、第75回毎日王冠(東京)は3歳馬シックスペンスが1番人気に応えて快勝。日本ダービー9着からの始動戦で初対戦の古馬を蹴散らし、天皇賞・秋・G1(27日、東京)の優先出走権を獲得した。
試金石となる一戦で鮮やかに古馬を蹴散らした。残り400メートルでゴーサインが出たシックスペンスは、ルメールの大きなアクションに応えてじわじわ末脚を伸ばす。外からヨーホーレイクが襲いかかると左ステッキにグンと反応しトップスピードに乗ると、懸命に粘り込むホウオウビスケッツを首差とらえたところが重賞2勝目のゴールだった。この日、一日6勝と大活躍だった鞍上は「反応が少し遅かったけど、馬もよく頑張ったし僕もよく頑張った(笑い)。勝つ自信を持って乗りました」と気持ち良さそうに汗を拭った。
ダービー以来4か月半ぶりの実戦できっちりと結果を出した。馬体重は過去最高の502キロで前走からはプラス14キロ。鞍上が「休み明けでしたし、コンディションもトップじゃなかった」とジャッジしたなかでの勝利。「ダービーは距離が長すぎたのでいい競馬ができなかった」と1800メートルに距離を戻し、今後のG1戦線で主役を担えるポテンシャルを改めて証明した。
これで19年からの6年間で5勝と強さを見せつける3歳馬。通算5戦4勝とし、1番人気に応えての勝利に国枝調教師は「良かったよ」と安どの表情を浮かべた。そのうえで「1800メートルで乗りやすかったんじゃないか。これから(調子は)上がっていくと思うよ」と今後の上昇を確信した。
今後については「オーナーと相談してから」と国枝師は話すにとどめたが、鞍上&トレーナーはともに適性距離を「1600~2000メートル」と分析。天皇賞・秋(27日、東京)やマイルCS(11月17日、京都)を視界に入れながら、秋G1戦線の主役を突き進む。(石行 佑介)
シックスペンス 父キズナ、母フィンレイズラッキーチャーム(父トワリングキャンディ)。美浦・国枝栄厩舎所属の牡3歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算5戦4勝。総獲得賞金は1億4086万7000円。主な勝ち鞍はスプリングS・G2(24年)。馬主は(有)キャロットファーム。