◆豪G1・コックスプレート(10月26日、ムーニーバレー競馬場、芝2040メートル)
JRA海外馬券発売対象のオーストラリアG1のコックスプレート(26日、ムーニーバレー競馬場)の出走馬と枠順が22日、決まった。今年の宝塚記念の覇者、リスグラシューは15番ゲート(馬番9)に決まった。この日、ウェリビー競馬場で追い切りを消化。先週のコーフィールドCを制したメールドグラースに続く2週連続の日本調教馬による豪州G1制覇へ態勢を整えた。
芝コースで岡助手を背に5ハロンから単走で追い切ったリスグラシュー。軽快に駆け抜けた愛馬の姿を見て、矢作調教師は納得の表情を見せた。「先週、(レーン騎手を乗せた)ムーニーバレーでの追い切りで臨戦態勢に入った。今日は総合的に判断して馬なり。十分に仕上がっています」
懐かしい記憶がよみがえる。「今回の遠征は大きな意味を持っています」。矢作師にとって、コックスプレートへの参戦は夢であり、憧れでもあった。高校卒業後に競馬の道を志し、真っ先に足を踏み入れたオーストラリアで見たのが、1982年、豪州競馬史上に残る名馬、キングストンタウンのコックスプレート3連覇だった。「メルボルンCはお祭りだけど、コックスプレートは最強馬決定戦だね」
その一戦にリスグラシューを送り出す。昨秋から本格化。エリザベス女王杯でG1初制覇を果たした後、2度の香港遠征でも好戦を続け、前走の宝塚記念では牡馬相手に3馬身差で圧勝。豪州遠征は初めてだが、初の香港の時のようなイレ込みが全くない。「本当にこの馬の学習能力はすごいよ」と頼もしく見つめる。
ゲートは外めの15番に決定。「思った通りの枠順というわけではないが、レーン騎手とも内は避けたいと話していた。ちゃんとした状態で自分の競馬さえできれば勝てるはず」と矢作師。自身の原点の地で勝利をつかむ。