【有馬記念】ディープボンドの前田代表とアカイイトの岡オーナー、キズナ産駒でのワンツーへ互いに健闘誓う

ディープボンドを送り出すノースヒルズの前田代表(左)とアカイイトの岡オーナーは握手で健闘を誓い合った(フォトチェスナット提供)
ディープボンドを送り出すノースヒルズの前田代表(左)とアカイイトの岡オーナーは握手で健闘を誓い合った(フォトチェスナット提供)

◆第66回有馬記念・G1(12月26日、中山競馬場・芝2500メートル)

 第66回有馬記念・G1(26日、中山)に向け、ともにキズナ産駒を送り込むディープボンドのノースヒルズ・前田幸治代表とアカイイトの岡浩二オーナーが“師弟対談”を行った。狙うは夢のワンツーだ。

 前田幸治代表(以下、前)「エリザベス女王杯でG1初勝利のアカイイトは本当に素晴らしかったですね。王道の競馬で完勝でした。キズナ産駒初のG1優勝が、親友の岡さんの所有馬で、本当にうれしかったです。素晴らしい名牝になれる器だと思いました」

 岡浩二オーナー(以下、岡)「ありがとうございます。まくるのが早いと思って見ていましたが、そんな心配を吹き飛ばして2馬身も差をつけて勝ちました。スプリンターズSの前に故障で引退したヨカヨカのぶんまで頑張って走ってくれたと思うと、感無量です」

 前「アカイイトの勝利にエールを受けて、2週後にコントレイルがジャパンCで勝ちました。レース後に引退式があり、そのプレッシャーが大きかったです。勝ってセレモニーに臨まないと絵になりませんから。寒いなかでファンの皆様が4000人以上も残っていただき、一生の思い出です。感動しました」

 ―ともにキズナ産駒ですね。キズナはノースヒルズに初めて日本ダービーのタイトルをもたらしました。まずは前田代表、ディープボンドについて教えてください。

 前「凱旋門賞は馬場が悪すぎて参考外でしょう。スタミナがあって長く脚を使えるのが長所。母の父キングヘイローがいい方に出ていると思います。凱旋門賞を勝ったダンシングブレーヴの血を引いて、例年の有馬のようなパワーが必要な馬場はピッタリです。同じくアカイイトもこの時期の馬場は合うと思うんですよ」

 岡「はい、私もそう思います。スピードとパワーの両方を兼ね備えたキズナ産駒ですからね。距離など未知の舞台ですが、ぜひとも挑戦してみようと私の方から言いました」

 ―前田代表と岡オーナーの縁の始まりについては。

 岡「18年前に酒場でバッタリお会いして、そこから始まった縁です。中竹調教師を紹介していただき、スティルインラブの3冠達成記念パーティーで幸ジョッキーと知り合いになり。そういう意味の絆、赤い糸だったのかなと。代表には本当にお世話になっています」

 前「『人は努力を運という』という言葉がありますが、運というのはつかむべく努力をしている人にやってくるもので、岡さんもこれまで大変な努力を積み重ねてこられました。このような喜びとなって実り、私も本当にうれしいです」

 ―最後に意気込みを。

 岡「デビューから20キロも大きくなり、今回も楽しみですね。前走がフロックじゃないことを証明したいです。レースは幸ジョッキーに一任。チャレンジャーの気持ちですが、ディープボンドとキズナ産駒のワンツーができれば最高です」

 前「キズナ自身は有馬記念に出走していないので、その産駒で有馬を勝てたら、どんなに素晴らしいことか。ワンツーの場合は先輩の私が勝ちたいところですが、アカイイトが先着しても心から『おめでとう』と言います。これがホースマンシップ。素晴らしいグランプリになることを願っています」

 ◆前田 幸治(まえだ・こうじ)奈良県吉野郡生まれ。アイテック株式会社代表取締役会長。日本最大級のオーナーブリーダーであるノースヒルズの代表取締役を務める。コントレイル、ディープボンドは弟の前田晋二氏の名義。生産馬でダービー3勝。13年キズナ、14年ワンアンドオンリーで連覇し、20年にコントレイルで3冠。グループで重賞通算170勝(うちG1は36勝)。

 ◆岡 浩二(おか・こうじ)大阪市生まれ。56歳。株式会社ランテック(大阪市城東区)代表取締役。日本馬主協会連合会の社会貢献・広報副委員長を務め、京都馬主協会では常務理事および広報委員長。ノースヒルズの前田幸治代表を師と仰ぐ。主な所有馬に地方交流重賞を4勝(10~13年)のセレスハント。京都ハイジャンプ・JG2を制したマーニ、北九州記念・G3でVのヨカヨカ(いずれも21年)。

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