【香港ヴァーズ能力分析】グローリーヴェイズのライバルを分析

 G1香港ヴァーズが12月11日に迫った。過去5年の調教国別成績を振り返ると、日本が2勝、アイルランドが2勝、香港が1勝。アイルランド以外の欧州勢は2着2回、3着1回となっている。グローリーヴェイズ(牡7歳、美浦・尾関知人厩舎)については前哨戦分析をご覧いただくとして、小欄ではその他の出走馬をチェックしていきたい。

 アイルランドのエイダン・オブライエン厩舎は香港ヴァーズ最多3勝。今年は2頭がエントリーしている。

 ストーンエイジ(牡3歳)はG3愛ダービートライアルS(芝10ハロン)の勝ち馬。前走の米G1BCターフではコースレコードかつ差し・追い込み決着の中、好位からしぶとく伸びて2着。勝ったレベルスロマンスには2馬身あまりの差をつけられたが、芝に転向してから5戦無敗の強豪だけに相手が悪かった感もある。まだ3歳と若く、上昇中の一頭だ。

 ブルーム(牡6歳)はマイペースの逃げなら手強い。昨年の仏G1サンクルー大賞(芝2400メートル)、今年6月の英G2ハードウィックS(芝11ハロン211ヤード)を鮮やかに逃げ切った。出遅れた前走のG1BCターフ(6着)は度外視できるし、逃げ馬不在の今回は展開利が見込める。しかも鞍上は名手・武豊。馬券圏内は十分ある。

 日本のウインマリリン(牝5歳、美浦・手塚貴久厩舎)はG2に3勝。牡馬相手でも引けを取らず日経賞を制し、オールカマーではグローリーヴェイズ(3着)を破った。2着同着だった前走のエリザベス女王杯もそうだが、優れたスタミナと我慢強さが魅力。内寄りのゲートも良いし、あっと言わせるシーンがありそうだ。

 地元のセニョールトーバ(セン5歳、ファウンズ厩舎)は、移籍前にオーストラリアでG3フランクパッカープレート(芝2000メートル)を制覇。シャティン芝2400メートルはG3クイーンマザーメモリアルC1着、G1チャンピオンズ&チャターC3着と好相性。前走のG2ジョッキークラブCはロマンチックウォリアーに及ばず3着だったが、末脚は目立っていた。得意の条件で上位争いに加わる。

 ◆成田幸穂(なりた・さちほ) 1984年8月8日、東京生まれ。(株)サラブレッド血統センター所属。週刊競馬ブック連載「海外競馬ニュース」の編集を担当。同誌のほか、研究ニュースで予想コラム「血統アカデミー」を執筆中。12月11日(日)ラジオNIKKEI第1「香港国際競走実況中継」に出演予定。

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