【2022年レース回顧】ジュンライトボルトが3連勝でダート界の頂点へ 来年は世界で飛躍

チャンピオンズCを制したジュンライトボルト
チャンピオンズCを制したジュンライトボルト

◆チャンピオンズC・G1(12月4日、中京・ダート1800メートル、16頭立て=良)

 その名の通り、稲妻のような豪脚だった。ジュンライトボルト(牡5歳、栗東・友道康夫厩舎、父キングカメハメハ)が、直線でさく裂させた末脚は衝撃的なものだった。レース後、友道調教師やオーナーサイドが、サウジアラビアやドバイの海外遠征に、前向きな姿勢を見せたのも納得の強さだった。

 伸びしろの大きさが、今後の飛躍を予感させる。2歳時に朝日杯FS(6着)にも出走した期待馬だったが、転機は今年7月のダート転向だった。芝でのオープン入り後はしまいの甘さが目立つようになり、陣営は以前から温めていたプランを決断。適性の高さを証明し、ダート4戦目、3連勝でテーオーケインズらを退け、G1制覇まで駆け上がった。「馬体の幅、筋肉量が増えて変わって来ましたね」と友道調教師も成長を感じ取る一方、パドックでは厩舎スタッフと「ダートのG1に出てくる馬の体はすごい」と話したとも明かす。まだ馬体に良化の余地を残している。

 さらに母系をたどればエアグルーヴ、ダイナカールにつながる。3代母のエアグルーヴは5歳時にジャパンC2着、有馬記念5着と牡馬相手にも真っ向勝負を挑んだ女傑。成長力に富んだ血統背景を持つのも魅力だ。

 「左回りだと3、4コーナーの加速が違う」と陣営がいうサウスポー。芝でも4勝のうち3勝が左回りだったが、ダートでは強さをさらに発揮できるようになった。フェブラリーSが行われる東京だけでなく、サウジCのキングアブドゥルアジーズ、ドバイワールドCのメイダンとすべてが左回りだけにピッタリなコース形態。世界に羽ばたく日が待ち遠しい。(戸田 和彦)

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