【京都記念】武豊騎手「助言」で復活狙うドウデュース躍動 友道康夫調教師へ「しまいだけ追っておいて」

躍動感あふれるドウデュース
躍動感あふれるドウデュース

◆京都記念追い切り(8日、栗東トレセン)

 第116回京都記念・G2(12日、阪神)の最終追い切りが8日、行われた。栗東では、日本ダービー馬ドウデュースがDPコースで“スパイス”を利かせた調整。注目馬の23年初戦へ向けた動きを、ヤマタケ(山本武志)記者が「見た」。

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 見慣れた光景とは違っていた。今まで国内で行われたドウデュースの当週の追い切りは手綱を動かされることなく、馬の気分に任せるようなメニュー。負荷より整えるという意味合いが強い最終調整で常に仕上げてきた。

 この日は栗東・DPコースでラスト1ハロン過ぎから軽く手綱を動かした。加速を促し、末脚を伸ばす調教。ラスト11秒2という時計(6ハロン82秒2)が示す通り、躍動感は伝わったが、今回は4か月半ぶりの実戦だけに微妙な“変化”はやはり気になる。

 しかし、友道調教師が説明した理由は実にシンプルだった。「先週乗った(武)豊ジョッキーから『しまいだけ追っておいて』と言われたんです」。デビューから手綱を執り続け、いつものように1週前追い切りで感触を確かめたレジェンドからの心強い進言がスパイスを利かせた最終調整を生んだ。

 昨秋に2戦とも完敗だった仏遠征からの復帰戦。友道師から中間に何度も聞いたのが「ジャパンCでも使えそうなぐらいだったけど、無理せずにここまで待ちました」という言葉だ。昨年の12月27日には帰厩させたが、本格的にコースで時計を出し始めたのは先月19日。3週間近くかけて、厩舎で土台を作ってきた。乗り込んだ期間は実に1か月半。慎重に、丁寧に愛馬を仕上げてきた。

 視線の先にドバイ・ターフ(3月25日、メイダン競馬場)を見据える一戦。当然、100%の仕上げではないが、十分に力を出せるだけの状態にある。「反応がよかったし、いい感じで臨めると思います。ダービー馬としての走りを見せてほしい」。最後の言葉に、友道師の復活への強い気持ちが伝わった。今回は単なる前哨戦ではない。(山本 武志)

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