想像以上の世界が広がっていた。4月9日の夜にJRA公式チャンネルにアップされた、桜花賞を制した川田将雅騎手が騎乗したリバティアイランド(牝3歳、栗東・中内田充正厩舎、父ドゥラメンテ)のジョッキーカメラのYouTube動画のことだ。
公開されるとまたたくまに再生回数は100万件を超え、今なお伸び続けている(194万回、4月18日11時現在)が、さらに、皐月賞のレース後には、優勝した横山武史騎手騎乗のソールオリエンス(牡3歳、美浦・手塚貴久厩舎、父キタサンブラック)、クリストフ・ルメール騎手が手綱を執った1番人気のファントムシーフ(牡3歳、西村真幸厩舎、父ハービンジャー)のジョッキーカメラが公開され、大反響を呼んでいる。
蹄音はもちろん、風を切り裂く音、ポジショニングから他馬との距離、受けるキックバック…。さらに、レース後、桜花賞では川田騎手が愛馬に「はい、勝ったよ」と語りかけ、皐月賞でも横山武騎手が「シャー」の絶叫の後に「さすがや、お前」と絶賛する声が入っている。その後に出迎えた厩務員さんとのやりとりも含め、そこにはまさに「リアル」が詰まり、視覚から受ける情報量は膨大だ。
もちろん、海外では以前から行われていたことだが、JRAも今春から導入。騎手のヘルメットに軽量の小型カメラをつけ撮影されている。今後も有力馬の騎手および調教師の双方から承諾が得られた場合のみだが、G1レースで撮影が行われる予定だ。レースでは、事故などもあり、全馬、全レースでの撮影は難しいかもしれないが、予想のファクターのひとつとしても重要な映像になると思う。
今週から、京都競馬場のグランドオープンに合わせ、全頭の位置取りが表示される競走馬トラッキングシステムも一部のレースで運用される予定で、よりエンターテイメント性がアップする。新たな試みが、ファン層拡大の一助になるのは間違いない。(中央競馬担当・松末 守司)