20年10月開業の外厩チャンピオンヒルズ、最新設備と優秀なスタッフで人気も成績も急上昇

広大な敷地を誇るチャンピオンヒルズの全景(チャンピオンヒルズ提供)
広大な敷地を誇るチャンピオンヒルズの全景(チャンピオンヒルズ提供)
ゆったりとした造りの洗い場
ゆったりとした造りの洗い場
左がウッド、右がフェルトダートで使い分けができる坂路
左がウッド、右がフェルトダートで使い分けができる坂路

 「夏の自由研究」(随時掲載)は外厩のチャンピオンヒルズを取り上げる。新設後、まだ3年にも満たないが、その広さと新しさで急激に存在感を増している。

 外厩に“新風”を吹き込む。栗東から車で約45分ほどの距離にあるチャンピオンヒルズは20年10月に開業。奥行きのある広大な敷地は東京ドーム15個分と関西最大級の規模だが、広いだけではない。周回コースと直線の坂路コースは使い分けられるようにウッドやダートなど2種類の馬場を設置。450もの馬房がある15厩舎にはミストを設置しているだけではなく、天井にはNASA(アメリカ航空宇宙局)が開発した断熱素材を取り入れ、蒸し暑さを感じない。最新の設備を備えている。

 21年は9・0%だった勝率も、今年は6月までで11・1%と上昇。広報の花森光さんが「成績が上がり、よりいい馬を預けていただくようになりました」と説明するように、厚い信頼を集めていることが施設内の光景からも分かる。今年のサウジCを制したパンサラッサや昨年の最優秀短距離馬セリフォスのように馬主も生産牧場も違うG1馬たちだけでなく、ペリエールやエエヤンなど遠く離れた関東馬の姿も見られた。現在、美浦の10厩舎が利用している。

 馬房の稼働率は常に100%。忙しい日々の中でも厩舎長たちが自ら集めてきた総勢180人のスタッフは日々、研さんを重ねている。「施設が大事かと思っていましたが、人がしっかりしていないと。今は信頼できる人たちがやってくれていますから」と花森さん。施設の横に経験の少ないスタッフにとっての貴重な練習場所となる乗馬クラブも併設されており、それぞれのレベルを高めている。高い人気も快適な環境と優秀なスタッフがそろっているからこそ。今後もさらに成績が上がっていくことは間違いない。(山下 優)

 ◆チャンピオンヒルズ 生産牧場のチャンピオンズファームが母体。全体で約71ヘクタール。全体で450馬房だが、秋に64馬房を増設予定。15基のウォーキングマシンを備えている。1周1100メートルの周回コースは内側がフェルトダート、外側が通常のダート。1000メートルの坂路もウッドチップとダートに区切られている。坂路の高低差は栗東(32・0メートル)をしのぐ40メートルもある。「ラクエドラゴン」という乗馬クラブも併設。ポニーを連れて、子供たちのイベントなどにも参加している。住所は滋賀県大津市伊香立下在地町馬ノ瀬1000。

 ◆外厩 東西のトレセン近くにある調教施設を兼ね備えた放牧地。調教師にとっては馬房数の上限が決まっているトレセンとの効率的な入れ替えが出走数の増加につながり、特に昨今は休養だけでなく、次への下地という大切な意味合いを持つ。現在競馬になくてはならない存在。

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